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人気焼肉店がカレー市場に参入。「ナムル」はカレーに合うのか…実食してみた

暮らし

 焼肉チェーン店を展開する安楽亭は2022年7月29日、カレー専門店の新業態「カレー屋あんらくん」をオープンした。カレー屋あんらくんは専用の店舗を構えるわけではなく、安楽亭での持ち帰りかデリバリーのみで提供する“ゴーストレストラン”の形式で実施されている。

あんらくん

安楽亭

 なぜ焼肉店でありながらカレー専門店のオープンに踏み切ったのだろうか。同社営業企画部の小野目一大氏に話を聞いた。

テイクアウトを知ってもらうための策

 まず、カレー屋あんらくんをオープンした経緯について説明する

「コロナ禍で“中食(なかしょく)”が社会に浸透していくなか、安楽亭の店舗ではテイクアウトを始めていました。ただ、まだ売上比率は低く、もっと多くのお客様にテイクアウトの存在を知っていただくことが課題となっていました

 そこで白羽の矢が立ったのが、もともと評判が良かったカレーです。カレーであれば専門店として成り立ちますし、焼肉店とは違うニーズにアプローチできます。オンライン上ではジャンル・カテゴリごとに食べたい商品を絞り込んで注文するお客様が多く、『“カレー”というジャンル内でも安楽亭のテイクアウトをアピールできる機会を作り出すことができる』と考え、新業態として『カレー屋あんらくん』を立ち上げました」

レッドオーシャンでの勝算は?

カレー 弁当

画像はイメージです

 とはいえ、カレーライスは競合が多く、最近ではコンビニでも名店監修のカレーライスが続々と発売されている。レッドオーシャンとも言えるジャンルになぜ飛び込んだのか。小野目氏も「カレーはライバルが無数にいるジャンルです。飛び込んでみて、私たちもそれを実感しています」と苦労をにじませる。

「ただ、牛肉のブイヨンをベースに豚・鶏・野菜の旨味を加えたスパイシーなペッパー風味のカレーと、黒毛和牛カルビやナムルといった焼肉屋ならではの特徴的なトッピングを武器にすれば、多くのライバルの中でも『個性的を出せる』と考えています。実際、存在感を示せるものになっていると感じています」

 デリバリーならではの強みも多々あるようだ。

「リアルに店舗を構えるには、専用の店舗など、多額の投資がかかります。しかし、デリバリー中心の業態であれば、一気に100店舗以上開店させることも可能です。実際、8月12日のみでも、安楽亭の159店舗がゴーストレストラン形式でカレー屋あんらくんの営業を開始しています。メニュー自体は同じキッチンで作っているものですので、店内でのご提供もスピーディーに拡大する予定です」

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