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<漫画>こじらせアラサーOLが暴走…映画マニアを描いた経緯を作者に聞く

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 白泉社のマンガアプリ「マンガPark」で好評連載中の『木根さんの1人でキネマ』。ほとばしる映画への愛情と個性的すぎるキャラクターが魅力の、おひとり様こじらせ映画コメディだ。

木根さんの1人でキネマ

『木根さんの1人でキネマ』(白泉社)

 今回は、当作品の主人公の木根さんのように熱烈に映画を愛す作者アサイさん@asumithi)に、本作の創作秘話とその映画愛を存分に語ってもらった。インタビューと共に、『木根さんの1人でキネマ』の第1話を紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい。

連載が続けられるのか?と思った

――映画(マニア)を題材にした作品を書こうと思った理由は何ですか?

アサイ:前作の『俺はナニを間違えた!?』(ジェッツコミックス)の連載が終了した時に、担当さんから「次は趣味/映画鑑賞のおひとり様漫画をやらないか」と提案されたんです。正直、「読み切りで1話は書けても連載として続けられるのか?」と思いました。

――主人公の木根さんは、会社では仕事ができて周囲の信頼も厚いが本性は愛ゆえにこじらせた映画マニア……というユニークなキャラクターです。彼女はどうやって生まれたのでしょうか?

アサイ:連載前に細かく設定を作りこんだりはしませんでしたね。映画に対する向き合い方がほぼ僕と同じなので(笑)。たぶん、僕史上最高に描くのが楽なキャラです。普通なら映画好きの女子高生とかにするだろうなと思いつつも、若い子の映画観は分からないので、選択肢にはなりませんでした。

――主人公の木根さん以外にお気に入りの登場人物はいますか?

アサイ:木根さんの同居人の佐藤さんです。今まで描いたことのないタイプのキャラなのと、本質的には木根さんよりヤバいところが好きです(笑)。

映画にハマったきっかけは『ターミネーター』

木根さんの1人でキネマ

まさに第1話が『ターミネーター』にまつわる回だ

――初めて映画を意識した作品や、映画にのめり込むきっかけとなった作品はありますか?

アサイ:映画を観た1番最初の記憶は『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』です。バギーちゃんのクライマックスでの勇姿は忘れられません。映画にハマったきっかけは『ターミネーター』です!

 自分を修理するシーンのグロや、ジョン・コナーの父親が実は……という見事な円環構造のストーリー。絶対これで倒せた、これでめでたしめでたし……と思ってもなんども追いかけてくるターミネーターのしつこさ、ついに倒した時のカタルシス! その全てが子供心に刺激的で超楽しかったからです。木根さんでもこれ描いてますね。

――作中には幅広いジャンルの、膨大な映画が登場しますが、アサイさんは平均で年何本程視聴されるのでしょうか?

アサイ:映画館と家鑑賞あわせて年に100本観れているか観れていないかだと思います。昔ほどは観れなくなっていますね。映画漫画を描いているのだから、自分が好きな映画ばかりではなく、いろいろ観ていかないといけないなぁ……とは思いつつ、結局は自分の好きな映画ばかり観ています。

――アサイさんがそこまで映画に惹かれる理由は何ですか?

アサイ:何も知らない物語が始まって、主人公たちがどうなるのか、物語がどういう展開を迎えるのか、完結するまでの2時間映画に身を任せて「面白かった!」を味わえるところです。もちろんそうじゃない映画もありますが、たくさんありますが。その「面白かった!」時のなんとも言えない高揚感を味わいたくて、僕は映画を観続けています。

木根さんの1人でキネマ 1

木根さんの1人でキネマ 1

30ン歳独身OL・木根さんの趣味は1人で映画を観ることと感想ブログ。映画愛がこもりすぎててこじらせちゃってる木根さんの生き様(笑)をみよ!

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