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父親は大嫌い、母親とは絶縁…『電波少年』坂本ちゃんが振り返る「ブレイクのウラ側」

暮らし

自分を救った「しがみつかない」考え方

坂本ちゃん

――ブレイクが落ち着いてきた時、どう思いましたか。

坂本ちゃん:だんだん休みが多くなって、仕事がすっかりなくなった時、実は「あ、もうなくすものないんだ。楽じゃん」って思っちゃったんです(笑)。親にお金をとられたので、仕事がなくなっても私の懐は同じでしたし、子供の頃から一人遊びが好きなので、一人でいることもあまり苦痛ではありませんでした。

 もちろん、芸能のお仕事は続けていきたいっていうのは今もありますけれど、何が何でもしがみつこうっていうのが、もしかしたらなかったのかな。逆に、しがみつこうみたいな感じだと、ますます精神的にダメになっていっちゃったかもしれません。

大事にするのは「自分を壊さない」こと

――流れに身を任せる。そのなかで大事にしていることは?

坂本ちゃん:私、「ケ・セラ・セラ」(なるようになるさと訳される言い回し)の人生なんです。運命に従うタイプ、開拓しないのね。大事にしているのは、自分を壊さないようにするということ。言葉が悪いかもしれないけど、早い段階で、「逃げる」ことを覚えていたんです。

――「逃げる」ことを覚えたのはいつ頃だったのでしょう。

坂本ちゃん:タレントになりたいと思ったのと同じ、小学校3年生頃です。親、特にアルコール依存症の父親が大嫌いだったんですよ。だから好き勝手にやってた父親が49歳で亡くなった時、ほっとした自分がいたんです。

 なんて悪魔なんだろうって思いますけれど、子供の頃の自分にとっては、気持ちのうえでだけでも「逃げる」っていうのは唯一の処世術だったのかもしれません。だから今でも嫌ならやめちゃえっていう考えがベースにありますし、イラストを描くのも、自分にとっては、嫌なことから一瞬でも忘れられる術ですね。

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