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初めて見た漫画家に「あ、本物だ」。俳優・青木柚が明かす、撮影で震えた瞬間

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 今年、二十歳を迎えた青木柚さん。石川瑠華さんとW主演を務める『うみべの女の子』が公開中です。『ソラニン』などで知られる浅野にいおさんのコミックを原作に、中学生の小梅(石川)と磯辺(青木)の恋と性を描いた青春映画です。

青木柚

青木柚さん

 2021年は、NHKで放送されたよるドラ『きれいのくに』で高い注目を集め、現在、『プロミス・シンデレラ』(TBSテレビ)に出演中。ほかにも出演作が多数待機中と、躍進を続ける青木さんに、ハードだったという本作への挑戦についてインタビュー。「現実味がない」というジョニー・デップさんとの共演についても聞きました。

浅野にいおには別世界にいる人のオーラが

――オーディションに原作の浅野いにおさんがいらしたそうですね。

青木柚(以下、青木):初めて漫画家さんを直接見たので、「あ、本物だ」と感動しました。別世界にいる方のような独特のオーラがあって、震えました。

――そうした場で自分の強みや性格を出すのは得意ですか?

青木:それが苦手で……。もちろん、熱量は持って臨みますし、それがないとダメだと思いますが、「自分はこういう人間です!」とアピールするのは苦手なんです。いただいた台本の役をただひたすらに演じることしかできないので、ガツガツいくよりは、ニュートラルな状態を意識しています。

――自分をガツガツ出さないというのは、普段からですか? 中高時代とか。

青木:小中学校のころは、実行委員とか学級委員を積極的にやっていました。特に修学旅行の委員が好きで、レクリエーションを考えたりしてましたね。高校に入ってからは、なぜかそうしたことが全然できなくなって、周囲と適度な距離を保つようになりました。孤立していたわけではありませんが、休み時間も集まって騒ぐのではなく、1人で音楽を聴いたりして。

「絶対に自分がやらないとダメだ」と

うみべの女の子

(C) 浅野いにお/太田出版・2021『うみべの女の子』製作委員

――本作の磯辺も、転校生ということもありますが、周囲と距離を取っていますね。

青木:オーディションを受けるときって、「これは絶対に自分がやらないとダメだ」という謎の使命感を覚える役がたまにあるのですが、磯辺にはそれがありました。高校のときに他人との距離を大事にしていた時期と重なったというか。「他人の痛みを想像できないやつは許さない」と、自分が言えなかった言葉を言う磯辺と出会うことで心が軽くなった。もし演じられたら、すごく大きな大切な経験になると思っていました。

――激しい性描写もある作品ですが、その躊躇はなかったのでしょうか?

青木:原作にもそうしたシーンはたくさんあって、映像化したらどうなるんだろうと感じましたが、磯辺と小梅の気持ちのすれ違いや関係性といったものが、その描写があることで細かく伝わってくる作品だったので、避けては通れない。むしろそうした描写も丁寧に進めていきたいと感じました。躊躇というより、大事にしていきたい気持ちでした。

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