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公務員なのに手取り17万円。地方在住の27歳「子供・家・車は諦めた」

学び

 若者の未婚化・晩婚化が問題になっていますが、晩婚化の原因のひとつに「若者の貧困化」が挙げられます。「子育てまで考えると今の給料に不安」「誰かを養うほど、稼げていない」など金銭的余裕のなさは、若者を結婚や安定から遠ざけてしまいます。

財布

画像はイメージです(以下同じ)

一家の大黒柱になる自信がない…

 一昔前なら当たり前の結婚や子供を作ることですら、二の足を踏んでしまう日本の現状。地方公務員の幸田祐太郎さん(仮名・27歳)も「当たり前の幸せの中にある不安におびえている」と言います。

「もともと東北出身で、周りの友人たちの結婚も早かったため、20代になってからは家族からも『早く結婚しろ』と言われており、自分の中で結婚や出産というのは当たり前の未来でした。そして去年、学生時代の友人の紹介で知り合った女性と結婚して、現在は長野県に住んでいます」

 移り住んだ県で地方公務員として働いているという幸田さん。早いは早いけれど、早すぎないアラサーの結婚生活。職業も安定しているとなれば、何が不安なのでしょうか。

家族を養うには到底足りない

貯金

給料の手取りは17万円程度です。額面でいえば24万円ほどなのですが、住民税や職員組合費など天引きされると、そのくらいになってしまうんです。もちろんボーナスはしっかり出るものの、妻に加えて子どもを養うには、到底足りないと感じる額です。公務員なので副業はNG。新型コロナの蔓延後は残業も禁止になったので、どうやってもこれ以上は稼げない。こんな給料で一家の大黒柱が務まるのだろうかと不安でたまりません」

 幸田さんには2人の姉がいて、実家近くで子育てをしているため、親の援助もそちらに取られてしまっているのだそう。田舎での子育てでは親世代の援助を受けやすいですが、幸田さんの家庭ではそれが難しいそうです。

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