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高卒リーマンが、転職面談に潜入したら…いろいろと疑問だらけだった件

学び

アドバイザーが勝手に「就活の軸」を決める

 ここでIT系のエンジニアの説明が5分ほどありました。

アド「……という感じになります。どうですかね? 手に職もつくので、キャリアとしても良いかと思います」

森川「なるほど……(僕の就活の軸はこれになったの?)」

アド「では、試しに求人をいくつか持ってきますね!」

 とりあえず受ける面談開始から約20分。ここでアドバイザーは一旦離席。「これで大丈夫?」と不安を抱えながら待つこと、10分が経過しました。

アド「お待たせしました(求人票を並べ始める)」

 合計11社の求人票を見せてもらうと、NHKの集金代行や光回線の飛び込みなどの営業職が複数枚、ネットワーク系のITエンジニア職(契約社員を複数枚)、某大手携帯会社の販売スタッフ(契約社員)でした。

アド「他の就職エージェントだと、一気に10社とか、バラバラの職種で数を出してくるところもあると思いますが、うちは求人を厳選しているので、しっかりと軸を選定してからいきましょうね! 気になる求人はございますか?」

森川「あ、まあ……」

アド「まだ今の状態だとわからない事もあると思うので、それであればとりあえず受けてみて判断していくのも良いかもしれません」

森川「そうですか……ちょっと考えてもいいですか? まだ自分の今後の軸とかわからなくて」

アド「軸としてはまず、正社員になると言うのが大切だと思いますよ! 求人がクローズ(応募終了)したらもったいないので、週明けくらいにはご返答をお願いしたいです。高卒だとなかなか難しいのもあるので……」

 どうやら僕の就職における軸は「とりあえず、正社員」に決まったようです。ちなみに、テーブルの上には契約社員の求人も出してましたが、これは怖い話でしょうか? 質問者の気持ちが何となくわかった気がします。

「とりあえず」という便利な言葉を使ってくる

面談

 ちなみに紹介されたITの求人は、僕もよく知っていて、その会社は通年で採用しており、クローズしたのは見たことないです。つまりは僕をマネタイズ感MAXで見ていたということかもしれません。

 その就職エージェントが……というよりも、そのキャリアアドバイザーの問題だと思いますが、今回、カウンセリングを受けて思ったのは、

・経歴の深掘りがないので、どういう人間なのかわかっていない
・就活の軸を納得感を持って設定していない
・「とりあえず」という便利な言葉で、エントリー獲得(その後の選考に進むこと)を狙ってるのが透けて見えた

 まさにミスマッチが起こる状態だと思います。僕の推測ですが、担当アドバイザーが入社まもない社員だったので、おそらく先輩から、

① その場でエントリーを獲得してくる
② 面接対策の日に先輩へパスをする
③ 内定後のクロージングを見て勉強をする

 ざっとこんなミッションだったのではないかと思います。就職エージェントは民間企業なので、利益を出すことは当然のミッションです。とはいえ、利益を出すことだけを追求してると、今回の面談のような事態が起こり、不信感が生まれてしまいます。

 特に若年層の場合、社会人経験が浅いので、就活市場のことをほとんど知りません、だからこそ、しっかりと説明をし、納得したうえで、進路を決めるのが大切だと思います。間違っても「情弱ビジネス」の被害者になってはいけません。

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