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投資を始めるならまずゲームがいい?FPが初心者におすすめ投資ゲームを伝授

コラム

Z世代は他の年代に比べて投資に関する興味関心が高いことが、調査結果でわかっている。幼少期からの金融教育のかいもあってか、抵抗がないのかもしれない。一方で、何から始めていいかわからないという声もある。

※画像はイメージです(以下同)

今回は、投資に詳しいファイナンシャルプランナーに、投資初心者へのアドバイスを聞いた。「ゲーム」を楽しみながら投資への活かす方法とは?

投資への興味関心は高いZ世代。一方で始め方に不安

若者マーケティング研究機関SHIBUYA109 lab.がZ世代に対して行った、お金と投資に関する意識についての調査では、現在「投資をしている」のは12.3%とわずかだった。しかし「投資はまだしていないが興味はある・必要だと感じる」と回答した人は51.2%と半数を超えた。

現在、投資をしていない理由は何かを尋ねたところ、「投資に関する知識がなく、何から始めていいかわからない」が29.6%で1位となった。

投資初心者が「ゲーム」から始めると良い理由

調査結果では、Z世代は投資に興味がありながら、始め方がわからないところでつまづいていることがわかった。

世間では株シミュレーションアプリやボードゲームといった、株式投資の擬似体験ができるゲームが存在する。こういったゲームは投資初心者にとって有効だろうか。

今回は、ファイナンシャルプランナーとして、投資や家計管理など多様な分野で、年齢層問わずレクチャーしている武田拓也氏に話を聞いた。

武田拓也氏

武田拓也氏

「投資初心者が、ゲームを入口にすることはおすすめです。投資に慣れていない状態で、自分のお金を使うのは勇気が要ること。その点、実際のお金を使わないゲームであれば抵抗感も少なく、気軽に投資を擬似体験できます。ゲームなので失敗しても損はせず、何度でも手軽にチャレンジが可能です。また、優れたアプリやボードゲームは遊ぶだけで投資の基本を身につけることができるので、実践にも役立ちます」

投資体験ができるおすすめボードゲーム

実際、どんな投資ゲームがおすすめだろうか? 武田氏は過去に、書籍『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が考案したボードゲーム「キャッシュフロー101」を使って投資の勉強会をしていたことがあるという。

「キャッシュフロー101」は、株式や投資信託などの有価証券や不動産投資を行い、給与のために働くラットレース、つまり『働いても働いても資産が貯まらない状態』から抜け出すことを目標としたボードゲームです。

有価証券で手元の資金を増やし、不動産投資で家賃収入による資産収入(不労所得)を得て生活費を上回れば、ラットレースを抜けることができます」

このゲームをプレイすることで、どのように実際の投資につながるのだろうか?

「最初はキャッシュフローを改善することの理解に苦しみ、ゲームをクリアするのに時間がかかりますが、繰り返しゲームをプレイすることで『こうすればお金が増えて、資産収入が得られるのか』と投資の流れがわかり、理解が深まるんです」

実際の株式投資上達につなげるための遊び方

ただ遊ぶだけではもったいない。例えば、株式投資のゲームをプレイすることで、実際の株式投資がうまくなるためには、どんな遊び方をすればいいだろうか。

「株式投資のゲームでは、『なぜこの銘柄を購入するのか?』という購入する理由をメモしながら遊ぶと良いでしょう。なんとなく売り買いしていると、なんとなくもうかったり損をしたりと、運まかせになってしまいます。

例えば『これから会社が○○のサービスを手掛けるから』『△△の政策が発表されたから』『□□の出来事があったから』など、あとで購入した理由が確認できるようにしておくことで検証が可能になります。これを繰り返すことが、勝率が上がり、利益を得やすくなるコツです」

投資ゲームを活用するときのポイント

投資ゲームは、他にも活用のポイントがあるそうだ。

「投資ゲームはさまざまな種類があるため、複数のゲームをプレイすることで異なる投資戦略やリスク管理の方法を学ぶことができます。操作性にも違いがありますので、自分に合った使いやすいゲームを探してみましょう。

またゲームであっても投資の基本原則は同じです。高いリターンには高いリスクが伴います。投資ゲームにおいても同様にリスクを把握しながらプレイしましょう」

そしてゲームで感覚や面白さをつかんだら、次はいよいよ本番にトライしたい。武田氏の次のアドバイスを踏まえて、最初の一歩を踏み出そう。

「実際に投資をするときには、しばらく使う予定のない余剰資金で行いましょう。ゲームと違い、失敗したからといってやり直したりリセットしたりすることはできませんので」

<取材・文/一ノ瀬聡子>

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【取材協力】
武田拓也氏
株式会社FAMORE 代表取締役
有料老人ホームの管理者、高校教師を経てFP、社会福祉士として独立。著書に、『なぜあの人は「老後のお金」に困らないのか?』(2019年8月出版)、『投資でお金が増える基本の仕組み』(2022年10月出版)がある。
https://famore.co.jp/

【調査出典】
SHIBUYA109 lab.「Z世代のお金と投資に関する意識調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000156.000033586.html

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