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【まさかのための豆知識】もし裁判に出廷することになったら?NGな服装やマナーを弁護士に聞いた

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人生、何が起こるかわからない。将来、裁判に出廷する機会があるかもしれない。縁遠いと思っていても、離婚調停などは、十分、有り得ることだ。出廷することになったときのために、服装やマナーを確認しておこう。今回は、弁護士法人Authense法律事務所に所属する弁護士の江藤 朝樹氏に話を聞いた。

裁判

※画像はイメージです(以下同)

裁判に出廷するときのNGマナー5選

江藤氏は、日頃から離婚と相続を中心として家事事件を多く取り扱っている。出廷時には、やはりマナーは重要になるという。

「法廷は、民事であれ刑事であれ、人を裁く厳粛な場とされているため、それに反するようなマナーはNGです。例えば次の行動は控えましょう」


弁護士 江藤 朝樹氏

1.携帯電話の着信音やアラームを鳴らす
「法廷内は大変静かな場ですので、着信音等が鳴ると非常に目立ちます。あらかじめ鳴らないようにしておくのがマナーです」

2.勝手にしゃべる
「当事者が必要な発言をするのは当然ですが、議論を整理して手続きを進行させるのは裁判所ですので、自分の判断で一方的に発言することは控えましょう。勝手にしゃべったり、当事者でないのに傍聴席から当事者や弁護士に話しかけたりすると、注意され、それでも止めないと退廷を命じられることがあります」

3.写真撮影や録音をする
「先日、裁判の内容を録音しようとした弁護士が、裁判官に止めるよう命じられたのに従わず、最終的に、手錠をかけられ身柄拘束を受けた上、制裁として3万円の支払を命じられたことがニュースとなりました。法廷内の秩序を維持するために、裁判所には強い権限が与えられています」

4.過激な服装で出廷する
「服装は自由ですが、法廷にふさわしい落ち着いたものが望ましいとされています。特別にかしこまった服装である必要はありませんが、人前に出て違和感のない服装がよいでしょう。よほど過激な服装でなければ、服装を注意されることはまれです。なお、法廷内では帽子は脱ぐよう求められます」

5.起立や一礼などをしない
「裁判官が法廷に入ってきた際には、起立しましょう。裁判官は着席の前に当事者と傍聴席へ向かって一礼するので、当事者も一礼します」

ちなみに、公開の法廷ではなく調停室という個室で行われる「調停」のシーンについても基本的なマナーは同様だという。

NG行動をしてしまった人のエピソード

裁判官

江藤氏がこれまで関わった裁判において、NG行動を取ってしまった人のエピソードを教えてもらった。

●居眠りをしていた傍聴人に…
「ある裁判で、傍聴人に居眠りをしている人がいました。裁判官が審理の途中で『ちょっと傍聴席のあなた! さっきからずっと居眠りしてますけど、ここは厳粛な場ですよ。居眠りするだけなら出て行ってください』と注意したことがありました。その傍聴人は、非常に気まずそうな様子で出て行かれました。裁判官は壇上からそんなところまで見ているのかと、ちょっと驚きました」

●電車を間違えて遅刻…
「被告人本人が身柄拘束を受けていない刑事事件(在宅事件)の弁護人をしていたときのこと。裁判の時間になっても本人が現れず、一体どこにいるのかと本人の携帯電話へ電話すると、乗る電車を間違えた上に、途中で電車賃がなくなってしまった、しかも携帯の充電ももう切れる状況だというのです。

私は裁判所へ事情を説明して平謝りし、なんとか別の期日を設定してもらいました。その後、本人に会うと私よりも落ち込んでおり、もはや責める気にもなれず、帰りの電車賃まで出してあげることになりました」

裁判に出廷するときのおすすめの服装と正しいマナー

裁判所

もし出廷するなら、基本的なマナーはしっかりと押さえておきたい。服装はどんなものが理想だろうか?

「服装については、常識的に人前に出ておかしくないものであれば十分です。といってもレジャーなど遊びの場ではありませんので、落ち着いた服装がよいでしょう。ビジネスパーソンなら、オフィスで着たり、仕事相手に会ったりするときの服装であれば、まず問題ありません。反対に、肌の露出が多かったり、色が派手だったり、あまりにカジュアルな印象を与える服装、例えばTシャツ、短パン、ビーチサンダル等は避けたほうが無難です。

裁判は、場合によっては当事者が人生や仕事上の一大事をかけて臨む、真剣な場です。服装を含め、当事者や裁判所への敬意を失することのないよう、マナーを守りたいものです」

将来、何が起こるかわからない。どんな立場で裁判に出廷する際にも、ぜひマナーは押さえておこう。

<取材・文/一ノ瀬聡子>

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【取材協力】
江藤 朝樹氏
第二東京弁護士会所属。東京都立大学理学部化学科卒業、早稲田大学大学院法務研究科修了。離婚と相続を中心に家事事件を数多く取り扱っており、一人一人の依頼者に対し、案件ごとに異なる見通しを分かりやすく伝え、ベストな着地点に向けて真摯に向き合うことを信条としている。
https://www.authense.jp/lawyers/lawyer_eto/

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