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増税、二番煎じ…岸田首相が唱える「異次元の少子化対策」は不安だらけ

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 2022年は参院選が実施され、自民党・公明党の連立与党が勝利しました。これにより、岸田文雄首相の政権運営が安定化したことは言うまでもありません。そのほかに昨年はロシアによるウクライナ侵攻が起き、その影響によって原油高となりました。円安も加速し、物価高となって私たちの生活を圧迫しています。

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岸田内閣は支持率の低迷が続くだけに、斬新な政策で支持率の回復を狙う(写真:小川裕夫)

 2023年は、どんな1年になるのでしょうか? 首相官邸取材歴が約15年のフリーランスライター・カメラマンの小川裕夫が、岸田政権の新たな1年間を予測します

「異次元の少子化対策」に注目

 2023年1月4日、仕事始めとして三重県の伊勢神宮を参拝した岸田文雄首相。これは歴代の首相が毎年恒例としているもので、岸田首相は2022年も伊勢神宮を参拝しています。参拝後、現地で年頭会見を実施。これも毎年恒例です。ただ、例年なら翌日に首相官邸でも年頭記者会見を実施しますが、今年は首相官邸での年頭会見がありませんでした

 参拝後の記者会見は、時間が短いうえに、形式的な話が大半を占めました。そうしたこともあり、2023年に岸田政権が重点的と考えている政策が明確に伝わりませんでした。それでも年頭記者会見で、岸田首相は3つの柱となる政策を述べています。そのうちの2つは以前から口にしている政策でした。

 目新しかったのは、2番目に触れた「異次元の少子化対策」です。この政策が、今年の岸田内閣の最重要課題になることは間違いありません。なぜなら、2023年4月には「こども家庭庁」が発足するからです

「こども家庭庁」は少子化を改善できるのか

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画像はイメージです

 岸田首相は、異次元の少子化対策として、児童手当を中心に経済的支援を強化、学童保育や病児保育を含め、幼児教育や保育サービスの量・質の両面から強化するとともに伴走型支援、産後ケア、一時預かりなどすべての子育て家庭を対象としたサービスの拡充、働き方改革の推進とそれを支える制度の充実を挙げました。

 岸田首相の言葉だけを見ても、いまいち何をするのか理解できません。あくまで岸田首相は少子化対策の柱となる大枠について言及しているので、具体的な政策内容はこども家庭庁の発足以降に詰めていくと思われます。

 しかし、こども家庭庁が発足する以前から、同じような少子化対策は取り組まれていました。にもかかわらず、日本の少子化は依然として深刻です。少子化が改善する気配すらありません。こども家庭庁は従前の少子化対策を深化させなければならず、生半可では国民は納得しないはずです

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