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書店員が恐れる「ショタレ」とは?出版・印刷業界のウラ用語

コラム

Q.「面陳(めんちん)」が意味するものとは?

「面陳してもらえますかねえ?」

「えーっと、大丈夫だと思います!」

 免賃? 割引きかな?

本棚

A.本の表紙を表にして書店の棚に陳列すること

 本を一人でも多くの人に手に取ってもらうためには、書店で「どのように陳列されるか」がとても重要です。

「面陳」は表紙が人の目線に近い高さで陳列されるため、遠くからでも目に入りやすくお客さんへのアピール度が高くなります。どの出版社も本や雑誌を「面陳」してほしいと考えますが、棚のスペースには限りがあります。「面陳」してもらえるかどうかは、書店側が「この本は面陳すれば売れる」と思うかどうかに掛かっています。

 そのために、出版社の営業マンが書店を回り、ときには作家本人を伴って少しでも良いポジションに陳列してもらえるよう営業します。「面陳」の次に良いと言われているのが「平置き(ひらおき)」で、表紙を上にして本を積んである状態のことをいいます。

 実際の書店では、背表紙を表にして棚に陳列する「棚差し(たなざし)」になっている本が多いですが、お客さんへのアピール効果はほとんどありません。「“面陳”された!」「“棚差し”だった……」と、出版社の担当者や作家は書店を訪れては一喜一憂するのです。

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