距離が縮まるたびに恐怖!尊敬する先輩に「仕事を教えてほしくない」理由
口臭がキツすぎて動悸が激しくなった
木下さんのカラダはその後、先輩に対して拒絶反応を示し、どうしても受け付けない。そして、先輩が近くに来るたびに動悸が激しくなってビクビクするようになります。耐えられず上司に相談したところ、ほかからも同じような声が上がっていることを知ったのです。
「原因は、アルコールの飲み過ぎではないかと上司は心配していました。先輩はかなりのアルコール好きのようで、自宅で朝方まで飲んでいるのだとか。ストレスの溜まる仕事だし、仕方がないとも思いました。どうにか我慢しようとも思ったのです」
しかし木下さんは、口の軽い上司から「先輩が歯磨きやお風呂嫌い」だという不必要な情報まで聞かされてしまいます。そして、「ニオイがキツイときは、『歯磨きをしていない』『お風呂に入っていない』と答えることもある」と言うのです。
「そんなこと聞きたくなかったですし、上司の愚痴のようなボヤキを聞いただけで、何の解決にもなりませんでした。そのうち、プロジェクト会議などでよく隣に座っていたサブリーダーのでっぷりした男性に質問をするようになりました」
太っている人への好感度が高くなった
以前は太っている人に苦手意識があったと言う木下さんですが、いまはそういった意識もなくなり、そのサブリーダーを頼りまくっているとか。また、サブリーダーのやさしさに触れ、太っている人への好感度が高くなったと言います。
「この一件があるまで、それほど自分のニオイを気にしたことはありませんでした。でも、ニオイって、見た目の清潔感や身だしなみと同じぐらい大切だと実感。いまはマスク社会ですが、ニオイには気をつけたいと思いました」
いまでは、無意識のうちに「デオドラント商品を大量購入してしまう」と言う木下さん。ある種、トラウマのようになってしまったようです。木下さんの言うように、清潔感や身だしなみと同じぐらいニオイにも気をつけ、周囲が不快な思いをしないよう配慮したいものですね。
<TEXT/夏川夏実 イラスト/デザイア恵利>