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初挑戦はわずか1年で撤退。女性が行列「東京たらこスパゲティ」出店の裏側

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何も味付けせず、もちもちの麺を味わう

東京たらこ

東京たらこスパゲティ 南池袋店限定のメニュー「月見いくらのたらこスパゲティ」

 スパゲティにお出汁をかけて食べるという、新しいスタイルが売りの東京たらこスパゲティだが、おすすめの食べ方はどのようなものなのか。中島氏は「最初はそのまま食べてもらって、タピオカ粉を使用したもちもちの麺を味わってほしい」と語る。

「おすすめの食べ方については特段、決めているわけではないんです。味の好みはお客様によって異なるので、例えば塩味を増して味を引き締めるなら明太醤油をかける。さっぱりと食べたい場合はお出汁をかけるなど、いろんな食べ方があります。

 逆にそのほうがSNSでも話題にしやすいですし、自分なりの美味しさを見つけたら自然と自分流の食べ方をシェアしたくなると思うんです。固定の食べ方を決めずに、一定の余白を残しているのも東京たらこスパゲティの特徴だと考えています」

オフィスや商業施設にも出店したい

 東京たらこスパゲティは、渋谷宮益坂の店舗を皮切りに2020年7月末には原宿表参道店、そして2022年4月には南池袋店をオープンさせている。ここでしか食べられない、新しい和風スパゲティを楽しめる和食ファストフード店として、これからも業態を育てていくという。

 最後に今後の展望について中島氏に伺った。

「実はコロナにならなかったら、2号店はオフィス街に出店したかったんです。働く女性が出入りするようなオフィスや商業施設のある立地を目利きし、出店計画をしていましたが、あいにくコロナ禍になってしまった。そのため、出店する場所の視点を変え、これまで3店舗を展開してきました。

 渋谷と原宿の店舗は女性のお客様が9割を占めていますが、南池袋は男性のお客様も多く利用しています。場所によって、ニーズや客層も異なるので、今後も出店を拡大させていくというよりかは、東京たらこスパゲティという業態に合う立地を吟味し、慎重に店舗を増やしていく方向性で成長していければと思います

 筆者も初めて東京たらこスパゲティのメニューを食べたが、もちもちとした食感と出汁の組み合わせは絶妙で、やみつきになりそうなくらいだった。まだまだ東京たらこスパゲティの快進撃は続くのかもしれない。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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