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「まず~い、もう一杯!」キューサイ新社長が「目指したい」ヘルスケア分野のアマゾン

ビジネス

100人以上の社員と1on1ミーティング

キューサイ

キューサイの原点は、やはり「ケール青汁」

――キューサイでは、社員の方々とどのようなコミュニケーションを取りましたか?

佐伯:私は経営の肝は「気づき」だと考えています。だから、まず「私に期待すること、変えて欲しいことは何ですか?」と100人以上の社員と1on1ミーティングを行いました。その時に「変えて欲しくないことは何ですか?」とも聞きました。やはり絶対に変えてはいけない会社の良さってあるんですよ。

 数多くの社員から「キューサイの原点は、自社グループで一貫した製造・販売を行うケール青汁です。これだけはなくさないでほしい」という声が上がり、私も「そうか、これがキューサイの強みだったのか!」って気づかされたんです。だから、「原点回帰」は私が言い出したアイデアではないんです。全社員で考えたアイデアなんです。

常に「1日目」の意識を大切に

――最後に、キャリアアップを目指す若手ビジネスマンにアドバイスをいただけますか?

佐伯:毎日が新たな始まりだと伝えたいですね。アマゾン時代は「Day1」という言い方をしていましたが、銀行でも商社でも常に「1日目」の意識を大切にしてきました。今日より明日はもっとレベルアップして、新たなことに挑戦しようという意識を持っていました。目の前の仕事をこなすだけでなく、別の立場の視点で考えてみるのもひとつの方法です。

 上司だったら、どう取り組むだろうか? 社長だったら、どんな目線で考えるか? お客さまだったら、どう思うか? これが意外と難しいんですよね。でも、常に新しい目線にこだわり続けていれば、自然と仕事がうまくいき、新たなプロジェクトやマネジメントも任されるようになるはずです。特に20代、30代の方が意識されると、格段に成長できるはずです。

<取材・文・撮影/中野龍 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

【佐伯 澄】
キューサイ株式会社代表取締役社長。1996年に大学を卒業後、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、その後米国ケースウェスタンリザーブ大学院(MBA)留学。2005年住友商事に入社し、約13年勤務する中で、海外での事業投資および事業会社経営に従事。退職後、Amazonにて、Amazon Freshの事業立ち上げを主導した後、2018年8月より株式会社MOA(現XPRICE株式会社)の代表取締役に就任。2022年1月よりキューサイ株式会社の取締役を務め、2022年3月より現職

1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿

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