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「まず~い、もう一杯!」キューサイ新社長が「目指したい」ヘルスケア分野のアマゾン

ビジネス

“ヘルスケア分野のアマゾン”を目指したい

キューサイ

ケール特有の苦みを感じさせない「ケールdeキレイ 」。青汁が嫌いな社員が作ったそうだ

――プラットホームとは、“ヘルスケア分野のアマゾン”を目指すということですか?

佐伯:さすがに、まだそこまではできません(笑)。でも、謙虚に「目指したい」とは言いたいです。すでに競合メーカーの中には、お客さまの肌年齢を測定して、自社のオールインワン商品をご提案しているところもあります。しかし、それだけではお客さまは満足されないと思います。私たちが考えているのは、自社商品だけをご紹介するものではありません。

「ウェルエイジング」を起点として、お客さまが求められている商品・情報に必ず接することができるプラットホームです。当然、キューサイだけではできない部分もあるので、パートナー企業のご協力が必要です。その理想の実現に向けて、まずはマルチプロダクト、マルチチャネルで展開すべく、さまざまな施策を練っているところです。

社長室でふんぞり返っていたらダメ

キューサイ

佐伯澄氏

――キューサイの“本気度”がひしひしと伝わってきました。ちなみに佐伯社長のキャリアのスタートは金融機関です。プロ経営者を目指されたきっかけは?

佐伯:少し青臭い話になるのですが、銀行に入ったのは、お客さまの豊かな暮らしを支える金融インフラがやりたかったからなんです。しかし、銀行員の立場ではお客さまの深い所には入って行けないんですよ。企業のM&Aも担当しましたが、買収したら終わり。その後の事業経営にはタッチできないんです。それにフラストレーションを感じて、商社に転職しました。

 商社は事業投資をするだけでなく、場合によっては内部に入って経営に加わることもあります。住友商事ではフランスのラガルデールとの合弁事業に取締役として派遣され、ファッション誌『ELLE』の通販サイトを立ち上げたほか、ニュージーランドのジュースメーカーではCEOを経験させてもらいました。

 実はニュージーランド時代が、私の経営者としての原点になっています。現地社員は「日本の商社って何だ?」「植民地みたいにかき回されるんじゃないか?」と身構えていたので、最初はハレーションがあったんです。それを解きほぐすのが大変でした(笑)。

 直に声を聞くために「朝会」を提案したり、試行錯誤しました。やはりお互いに胸襟を開いたコミュニケーションが大事なんですよね。社長室でふんぞり返っていたらダメなんです。

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