マッチングアプリ“後発組”でもユーザー数が急増。女性CMOに聞いた独自戦略
いまや、恋活や婚活を行う男女の多くが活用しているマッチングアプリ。コロナ禍では合コンや飲み会、婚活パーティなどが制限されてしまったこともあり、新たな出会いの手段として利用するユーザーも増えていることだろう。
そんななか、心理学に基づいた性格診断をもとにしたマッチングを特徴にしているアプリが「with(ウィズ)」だ。
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同サービスを運営する株式会社with CMOの川口絵美氏にマーケティング戦略や今後の事業展望について話を聞いた。
マッチングアプリに可能性を感じた
川口氏は新卒で日本ロレアルへ入社し、「メイベリン ニューヨーク」「ロレアル パリ」といったビューティーブランドのマーケティングに従事してきた。化粧品のブランドマネージャーとして16年間キャリアを積んできたが、2021年8月末に同社を退社すると、翌月からは現職にキャリアチェンジする。なぜ畑違いのマッチングアプリ市場にキャリアチェンジしたのだろうか。
「自分が大切にしていた軸は『消費者のためになっている』ことでした。それができていたからこそ、仕事のモチベーションになっていた部分もあったんです。現職のCMOポジションのオファーをもらったときに、『マッチングアプリなら、ユーザーの人生における大切なモーメントにインパクトを与えられるのでは』と思うようになったのが、転職を選んだきっかけになっています。
当初は転職願望もなく、前職でもやることはまだありましたが、ユーザー視点で人生を変えられるマッチングアプリの魅力や可能性に惹かれ、挑戦したい気持ちが強くなってきました」
「主観」と「客観」の区別を意識
これまで手触り感のある化粧品を扱っていたのに、マッチングアプリという全く違うプロダクトのマーケティングを行う上で、苦労したことはあったのだろうか。
「私自身、苦労だとは感じていませんが、ひとつ違いがあるとすれば、化粧品はいくらでも自分で試すことができる。一方、マッチングアプリは私が既婚者ゆえに、アプリ上でメッセージを交換し、実際にお相手と会うことはできないことでした。
要は100%のユーザー体験を自分自身に落とし込めないわけですが、実体験からのマーケティングよりも、ユーザーのリアルな声や意見を意識するように心がけています。マーケティングのやり方は色々とありますが、withの場合は『主観』と『客観』を区別することを意識し、プロダクトの体験をいかに良くしていけるかがミッションになっています」