岸田文雄首相に早くも「期待はずれ」の声。10月末の衆院選が“正念場”か
やりたいことがわかりづらいとの指摘も
しかし、党役員人事を見ると、安倍・菅内閣で活躍した議員が重職に就いています。また、閣僚人事は初入閣が13人で、一見するとフレッシュに見えます。しかし、度肝を抜くようなサプライズを感じさせる人事とまではいえません。
よくも悪くも新内閣の閣僚人事は大きな関心事です。それにもかかわらず、サプライズがないのは、今回の閣僚人事が腰掛け的な意味合いが強く感じられるからです。
10月4日に首相官邸で開かれた新任会見で、岸田首相は新型コロナ対策を最優先で取り組むとしながらも、経済政策として自民党総裁選のときから繰り返し触れていた“新しい資本主義”の実現を強調しました。岸田首相が口にする新しい資本主義では、「令和版所得倍増計画」に取り組むことで中間層の拡大を目指すことに力を入れているようです。
核廃絶への思い入れは強い?
岸田首相が掲げる、ほかの政策も見ておきましょう。岸田首相の選挙区は広島1区です。言うまでもなく、広島は原爆が投下された地でもあるため、岸田首相は歴代の首相以上に核廃絶への思い入れがあるようです。新任会見でも、核廃絶に触れました。アメリカ・中国といった核保有国と、どのように対話をしていくのかが課題です。
岸田内閣の政策は、いろいろなところに手を出していて一番やりたいことが何なのかわかりづらくなっています。記者たちも同じ思いを抱いているようで、新任会見では「総花的ではないか?」という質問も飛びました。
発足したばかり岸田内閣ですが、衆議院の任期は10月21日に満了します。任期が切れるにしろ、衆議院を解散するにしろ、いずれにしても近いうちに選挙を実施しなければならない状態でした。衆院選の結果にもよりますが、このまま順当なら選挙後に第2次岸田内閣が発足する可能性が高く、その際には再び組閣することになります。