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元プロ野球選手の大学教員が感じた球界の古い慣習「野球に集中しろと怒られました」

学び

野球選手もいろいろな働き方があっていい

西谷尚徳さん

 そんな中で風穴を開けていると感じるのが、メジャーで活躍するダルビッシュ有投手の言動だ。

「自身の意見や考えをよく投稿していますし、ツイッターで意気投合したお股ニキさんと『データ全分析 ダルビッシュ最強投手論』(宝島社)という本まで出してしまった。良くも悪くも、プロとかアマとか変な垣根を越えています。日本では“プロ契約”が障壁になっていますが、将来は現役選手がYouTubeで野球指導をするようになるかもしれない。

 野球とバスケとか2つの競技でプロ選手をやるのは無理でも、野球をやりながら音楽もやるなんてこともあるかもしれない。複数の仕事を掛け持ちするパラレルキャリアという考え方もありますが、世の中がこれだけ変わってきたのだから、野球選手だっていろいろな働き方を考えたっていい、多くの可能性が認められたっていいんじゃないでしょうか

 時代の流れに伴い、変わろうとしている昨今のプロ野球界で、西谷さんのような“異端派”のOBが果たす役割は決して小さくはないはずだ。

<取材・文・撮影/中野龍>

1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿

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