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元プロ野球選手の大学教員が感じた球界の古い慣習「野球に集中しろと怒られました」

キャリア

コーチから「野球に集中しろ」と怒られる

西谷尚徳さん

現役時代に読んでいた本。意識の高さが窺えるラインナップだ

 プロでも同じような発言を繰り返し浴びせられた。

「楽天は東北の球団ですから、関東に遠征に行くとバスで3時間以上かかります。渋滞すれば5時間近く乗るわけです。その間、チームメイトは寝るか、マンガを読むか、映画かお笑いの動画を見ていました。

 でも僕は時間を無駄にしたくない。だから移動中は学術書を読んだり、ノートパソコンを持ち込んで大学院の課題の論文を執筆したりしていました。でも、一部のコーチに目の敵にされて『野球だけに集中しろ!』と何度も怒られていました。マンガはOKで、学術書はダメっておかしくないですか?」

ストイックな生き方も否定はしないが…

西谷尚徳さん

トライアウトを経て阪神に入団。背番号が3桁なのは育成選手のため

 プロである以上、野球に集中することは当然だ。しかし、西谷さんも決して野球を疎かにしていたわけではない。故障から回復して臨んだトライアウトの前後は「僕は体も小さいし、ケガばかりの大した選手じゃない。でも、自分の野球人生で最高の仕上がりだった」。阪神が獲得したのも、その努力と実力を示せたからだ。

選手たちの多くは引退後を考えないようにしているだけです。プロを目指して大学や社会人までプレーすれば、チームの中でどんな立場に置かれているか、野球でいつまで飯を食べていけるのか分かるはず。当然、その先のことも考える。

 でも、プロに入ったとたんに夢物語の住人になって、全く考えなくなる。そして、引退することになった瞬間に『この先どうしよう?』と目が覚める。野球だけしか考えないストイックな生き方も否定しません。

 それは生き様ですから。でも、何の準備もなく引退して『仕事がないんです』と泣き言は言わないでほしい。そうなりたくないなら、プロであっても野球のことしか考えないのは間違っています」

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