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ヒラ社員の暴走で穏やかな会社がブチ壊されて…28歳男性が見た職場崩壊

コラム

追い詰められる「部下思い」の上司

説教

「藤澤さんは、かねてから飯塚部長とそりが合わなかったシステム開発2部の田上部長(仮名)を味方につけたんです。飯塚部長とは真逆で、部下を追い込んで仕事をさせるようなタイプの人で……」

 田上部長は、新商品の開発をシステム開発1部が担当していることを苦々しく思っている節があったみたいです。

「藤澤さんと田上部長のコンビは、リーダー以上の役職者が集まる会議で、面と向かって飯塚部長のことを批判するようになりました。そもそも正面を切って同僚を批判するような雰囲気はない会社だったので、かなり異様でみな困惑していました」

 矢面に立たされた飯塚部長は精神的に追い詰められていき、このような事態に馴染みがない社内には、止める人物もいなかったと言います。

疲弊した飯塚部長は結局会社を辞めてしまいました。念願叶って田上部長は新商品の開発を任されるようになり、藤澤さんは副部長のポジションに収まることになったんです」

 これで社内も落ち着くのかと思われましたが……ここからさらにひどい状況に陥ります。

「ライバルを蹴落とすことに成功した田上部長でしたが、新商品を開発できるような能力があるわけでもなく、各部署から社員を集めて、企画を募集するようになったんです」

メンバーがどんどん辞めていく事態に

 島田さんもその1人に選ばれたそうですが……。

「この会議が本当にツラくて、出す企画がことごとく否定されまくるんです。それもただ否定されるだけでなく、『こんな企画が通ると思ってんのか? その無能さでよく給料もらってられるな』とか、ボロクソに罵倒されるんです

 そうした会議を繰り返した挙句、企画会議の参加メンバーが次々に出社しなくなり、なかにはそのまま会社を辞めるメンバーもいたとか。

「にもかかわらず、完全に自分の天下だと思ったのか、田上部長の横暴はひどくなって、彼の直属の部下も次々に辞めていきました」

 年に多くても2人程度しか離職者がいなかった会社で、毎月数人が去っていく異常事態。社内には嫌な緊張感が漂うように。

「田上部長が出社すると、関係部署の社員は必要最低限のこと以外しゃべらなくなりました。終日、罵声だけが響くような環境になって、本当に地獄のような居心地でしたよ

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