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ヒラ社員の暴走で穏やかな会社がブチ壊されて…28歳男性が見た職場崩壊

コラム

 職場とは、人間同士の微妙なバランスで保たれているもの。ごく少数の人間の暴走によって組織が様変わりしてまうこともあります。

 そんな体験談を語ってくれたのが、 IT企業でエンジニアをしている島田雄介さん(仮名・28歳)です。

オフィスワーク

画像はイメージです(以下同じ)

舞台俳優を目指していた中途社員

「元々はかなり穏やかな社風の会社だったんです。でも、ある時期に一変してしまいました。毎日怒号が飛び交い、泣きだす女性社員も頻繁に見かけるような状況になってしまったんです」

 会社が様変わりしてしまったのは、中途採用で入社した、たった1人の平社員のせいだと言います

「藤澤さん(仮名)は、製品の質を向上させるための検査チームのリーダー候補として入ってきた人物でした」

 組織を変えるほどの影響力を持った人物と聞くと、我の強いアグレッシブな人を想像しますが、物腰も柔らかく優しい印象で、以前は舞台俳優を目指して劇団員をしていたとのこと。

「システム開発部は2部署あって、自分や藤澤さんが所属しているシステム開発1部の飯塚部長(仮名)は、部下にストレスがかかりすぎないようコントロールしてくれるような部下思いの人でした」

なぜか反旗を翻し始める…

モンスター社員

 そんな人望厚いリーダーの部下となったにもかかわらず、藤澤さんは思わぬ行動に出ます。

ことあるごとに会議の席で部長を批判するようになったんです。批判するのは飯塚部長が指揮を取っている新商品開発のことでした。藤澤さんは『顧客のため』が口癖の人でしたが、飯塚部長が進めている商品開発を『顧客のためにならない』と批判するようになったんです」

 入ったばかりの中途入社の社員が上司に対する批判を行うことは、分が悪いように思えますが……。

「藤澤さんはあまりITの知識がなくて、最初のうちは自分も『何を言っているんだろう』と思っていました。でも、藤澤さんが劇団員上がりのよく通る声と、上手な身振り手振りを交えた様子で語ると妙な説得力がありました。飯塚部長も反論していましたが、徐々に黙り込んでしまうことも多くなっていきました。その後、飯塚部長はさらに追い詰められていくことになります」

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