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製薬会社のエリート職を30歳で捨てて「シェアハウス管理人」で成功するまで

コラム

 新型コロナウイルスの感染拡大により、インバウンドや飲食、アパレルなど各業界が大きな打撃を受け続けている。総務省の発表によれば2020年平均の完全失業率は2.8%となり、リーマンショックの影響を受けた2009年以来11年ぶりに上昇

シェアハウス

※イメージです

 そのため生活に困窮する人も急増。定職もなく高い家賃も支払えない……。そんな若者に低コストで住むことのできるシェアハウスが人気を集めている。そして、低家賃シェアハウスを自ら開業して、金も家も得た男がいる

自ら住み込んでシェアハウスを開業

 シェアハウスは1つの住居に複数の人が暮らす賃貸物件。玄関やキッチン・トイレ・浴室は共同となり、昔の下宿を思わせる。製薬会社の研究職というエリートから30歳で退職、シェアハウス管理人となったブルマ大家さん(33歳・仮名)に話を聞いた。

「僕自身、会社を辞めて無職になったことで、住居費を節約したかったのと、シェアハウスを営むことでお金も稼げると考えたのです」

 ブルマ大家さんは、いきなり大阪に引っ越してシェアハウスに住むのではなく、自ら管理人となってシェアハウスを開業した。

「マンション・アパートなど普通の賃貸物件では、求職中で保証会社の審査に通らないような人は入居できません。しかし、シェアハウスであれば簡単な面接をパスするだけ。家具家電やインターネット、食器や調味料までがそろっていますから、すぐに生活できます。初期費用も数万円のデポジット(保証金)と家賃だけのところも多く(契約金などがかかるケースもあります)、普通賃貸に比べ圧倒的に安いです」

ド田舎での生活に自問自答の日々

退職

 そもそも、なぜ安定した大企業の研究職を捨てて、アウェーの地である大阪に引っ越したのだろうか。

「やりがいのある仕事でしたが、研究所はド田舎にあり転勤もほぼありません。チェックが細かすぎてそりの合わない上司の元、研究所と、風呂トイレ共同・居室は4.5畳しかない会社の寮をひたすら往復するだけ……。大学受験、就職と人生の競争を勝ち抜いてきたつもりでしたが、『こんな生活をするために努力したのか?』と自問自答の日々でした

 そこを抜け出すべく投資をはじめ、中古アパートを買い進めサラリーマン収入と同じくらいの収入を得たものの、将来には不安を感じていたそうだ。

「欝々した生活に嫌気がさして、2017年末頃『30歳の誕生日に最後の挑戦だ!』と思い切って会社を辞めたんです。大阪に地縁はありませんが、リフォームに強い投資仲間がいました。ちょうど手ごろな貸家を見つけることができて、住まいと生活費を確保すべくシェアハウス運営を思い立ったのです」

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