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インパルス堤下敦「ダメな自分に正面から向き合いたい」

暮らし

3年経って、やっと反省の道筋が見えた

堤下敦

堤下:だから若い人たちも、受験や就職活動なんかで“失敗した”なんて思ったら、人と比較するんじゃなくて、まずは今自分ができることをいっぱいやる。そうすることで、その時の自分のダメだった部分がブラッシュアップされるんだよっていうのは、覚えておいて欲しいなと思いますね。

 例えば相手を傷つけてしまった時、次傷つけないようにしようと思っても、逃げたままでは相手に何も伝わらない。向かうことによって、それが消化されていくんじゃないかなあ、自分のなかでね。相手がどう思うかは別ですよ。

 でも、自分のなかでちょっとずつ反省の道筋が見えるんじゃないかなと。やっとですもん、僕。3年経って、やっと僕反省の道筋がなんとなく見えて、“こっち側”に一歩踏み出したかなっていう程度ですもん。やっと。

 いちばん辛いですからね。自分のダメなところに、自分で向き合うのって。でも、「もういいじゃん」って思っちゃったら、僕の負けなんです。ダメな自分と向き合える自分をつくることが大事なんじゃないかなと思っています。

『堤下食堂』の夢、そしてコンビ活動

堤下敦

――これから、やってみたいことはありますか。

堤下:先日、『堤下食堂』で、吉本興業の仲のいい社員に頼まれて、秋田の安藤醸造さんに伺ったんです。味噌や醤油なんかを無添加・天然醸造している会社で、創業嘉永六年とものすごい歴史がある。でも、コロナで全然売れなくなっちゃったんです。だからどうにかしてアピールしてくれないかって言われて、そこで味噌や比内地鶏を使って料理してきました。

 その社員には世話になったから、お礼のつもりで。お金はいらないから、その代わり少しでも商品が広まったらいいなと思っています。たかだか一人のおじさんがやっている料理チャンネルが、全国の食材を使って料理を作ったり、地場のものが売れるようになるっていう『全国堤下食堂』みたいなのは、今後やってみたいことのひとつです。

 その他にやってみたいのは、コロナで、ニュースにならない人材もたくさんいなくなってるんです。そういう奴がいっぱいいるのを知ってるし、見てるし、聞いてる。なんかそういう状況を救えるような場をつくりたい。そういう想いもあって、舞台や映画のプロデューサーは、今後も絶対やっていくと決めています。

 最後に、もっとも大きなこととして、インパルスしての活動。コンビとしての活動を認めてもらえるような、自分の価値、信用値をあげていく。やりたいことというより、やらなきゃいけないことだと思っています。

<取材・文/吉河未布 撮影/内海裕之>

【堤下敦】
1977年、神奈川県横浜市生まれ。吉本興業所属。1998年、相方の板倉俊之とお笑いコンビ「インパルス」を結成。『はねるのトびら』『エンタの神様』などに出演。2019年よりYouTubeチャンネル『堤下食堂』をスタート、登録数30万人超の人気チャンネルに

編集者・ライター。ネットの海の端っこに生きています。気になったものは根掘り葉掘り

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