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サントリー天然水「1本買えばもう1本」キャンペーンはなぜ誕生したのか

ビジネス

「1本買えばもう1本」――2020年の夏、コンビニでやたら目にしたキャンペーンだ。なかでもサントリーの天然水(550ml)を買えば、2Lの天然水がもらえるというキャンペーンは、ネットでも大きな話題になり、猛暑のなか、旋風を巻き起こした。

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サントリー天然水。現在は南アルプス、奥大山、阿蘇という3つの採水地

 いくら「1本買えばもう1本」といったって、おまけとは、一般的に本体より同じか小さいサイズのものではないのか。一体どういう意図とからくりがあるのか。

「550mlを買えば2Lがもらえる」

 Twitterでも〈ファミリーマートで水500ml買うと水2リットル貰える頭のおかしいキャンペーンをやってる〉〈ファミマの水が5倍に増えるキャンペーン頭イかれてて草〉といった声のほか、〈発注し過ぎたのでしょうかwwwwww〉〈な、なにが目的なんだ?〉など、“バグ”を疑う声が噴出していた。

 なお、サントリーはその後も「スーパーC.C.レモン 350mLを買うとニチレイ超アセロラ 350mlが1本無料」(ファミマ)、「伊右衛門 600ml買うと伊右衛門 特茶/ジャスミンが1本無料」(ローソン)などといったキャンペーンを続々投入した。他社でも伊藤園が「おーいお茶 緑茶 600mlを買うと、2つの働き カテキン緑茶500mlが無料」(ローソン)、アサヒ飲料が「十六茶 660ml を買うとウィルキンソン エクストラ 490mlが1本無料」(ミニストップ)などというキャンペーンを展開。その他、ヨーグルトやスナック菓子、カップラーメンなど、この手のキャンペーンを挙げればきりがないが、どうしても気になるのは「儲けは出ているのか」「効果はあったのか」というポイントだ。

 そこで「550mlを買えば2Lがもらえるキャンペーン」の真意について、サントリー食品インターナショナル株式会社ジャパン事業本部 ブランド開発事業部の米谷美咲さんに詳しく話を聞いた。

2Lがおまけ、実は社内でも“物議”

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ジャパン事業本部 ブランド開発事業部の米谷さん

――「1本買えばもう1本」というキャンペーンは、そもそもいつからやっていたのでしょうか? きっかけや意図も教えてください。

米谷美咲(以下、米谷):2018年からです。飲料の新商品をできるだけたくさんの人に手にとってもらえるようにという意図で、定番商品にくっつけて。発売前の認知を高めるという目的で始めました。ミネラルウォーターの天然水でキャンペーンをするのは初めてでした。

――コンビニごとに内容が若干変わっていますよね。

米谷:商品によっては同じ組み合わせを同時に、ということもありますが、組み合わせはチェーンさんと相談して決めているんです。ちなみに、交換券をコンビニのレシートに印字するという仕組みは、もともとコンビニにそういうシステムがあって、それを利用させていただきました。

――そもそもは新商品をPRするためのもの、ということなら納得です。では、今年の夏、話題になった2Lのミネラルウォーターがもらえるキャンペーンについて。新商品というわけでもないし、もしかして在庫が余っていたとか?

米谷:余っていたわけではありません(笑)。ただ、社内からも「これ本気? どういう目的でやってんの?」って聞きにくる人がいたりしました。物流系の人にも、(社内資料)書き間違えてない? とか言われたりして。

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