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メールでのやり取りを認めない取引先。休日の電話対応まで求められ…

学び

 上司とのビジネスメールや電話でのやり取りに悩まされる若手社員が後を絶たないようです。昨今では、労働者が勤務時間外や休日に仕事上のメールや電話への対応を拒否できる「つながらない権利」という言葉も叫ばれていいます。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 大手コンサルティング会社「NTTデータ経営研究所」が2019年5月に正社員として働く20歳以上の1110人を対象に行った調査によると、業務時間外(深夜や休日など)に上司から緊急性のない電話やメールに週1回以上対応したことがあるのは165人、約15%にのぼります。

 製造業企業の営業マンの吉村保さん(仮名・26歳)は、メールしても「電話しろ!」と怒るクライアントの40代後半の課長に困惑気味だそうです。

いちいち電話での連絡を要求してくる

 その取引先の課長は、社員700人の規模の大手自動車メーカー系列の業務用車両リース会社の正社員。新卒入社からエスカレーター式に現在の役職に就いたそうで、メールは失礼、電話かけるのが礼儀という昔ながらの慣習に囚われているのだとか。

「あらゆるやり取りに関して『いちいち電話をしろ』と、毎回電話で叱ってくるんです。メールでのやりとりだけでも、見積もりや発注内容はしっかり伝わるはず。もし間違いが生じたとしても、メールなら『言った、言わない』のすれ違いもなくなるし」(吉村さん、以下同)

「メール送信したことを電話で伝えることは、課長が決めたルールなので逐一、電話をしないと途端にクレームが入ります」と、ゲンナリする吉村さん。ヒドいときは一日中、その課長に振り回されることがあるとか。

「とはいえ、ウチの会社にとっては大事な発注元なので無視することもできません。かといって、『メールで見積書送りました』と電話をしても課長は離席がち。周囲の社員を『席を外しています』『会議中です』と電話対応に巻き込んでいて、本当にイラつきます」

急な発熱…同僚に取引先への電話を託す

電話

 さらにメールしてキレられた別のエピソードもあるそうです。

「とある日の飲み会のお礼を課長にメールしたのですが、どうやら証拠を残されたら困るタイプの飲み会だったそうで。電話で『空気の読めないメールを二度としてくるな』とキレられてしまいました。どうやら会社に黙って、飲み会の領収書を切っているそうです」

 しばらくは耐えて黙っていた吉村さんですが、怒りのピークは風邪で2日間、休んだ翌日のこと。前日、課長に何度も電話をしても繋がらなかったため、吉村さんは帰社前に「本日電話をしましたが、会議が長引いているようですから、明日改めてご連絡します」とメールで丁寧に報告。

 ところが、翌朝38度の発熱でふらふらになり、玄関でばったり倒れてしまいます。やっと起き上がって、スマホをカバンから取り出して、会社に「風邪で休む」と電話を入れたとき、同僚に「代理で課長に電話をしてもらいたい」と託します。

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