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メールでのやり取りを認めない取引先。休日の電話対応まで求められ…

学び

代理で電話を託された同僚がやらかした!

メール

 ところがあいにく担当する案件で緊急事態が乗じて、同僚はそちらにかかりきりになって、電話をかけられなかったそうです。そのため課長が「無責任だ」と激怒。休日中の吉村さんのもとにまで電話をかけてきて罵ったとか。

「ひたすら謝罪しましたが、課長は不機嫌のまま。風邪をひいて会社を休んだのに、電話しないとダメなのか」と憤りを覚えた吉村さん。その後も、受注や発注が増えていくにしたがって、一日のほとんどが課長に電話をかけることに専念するはめに。そのため残業も連日のように生じたそうです。

「困り果てた挙句、上司に担当を替えて欲しいとお願いしました。すると上司は担当の変更を願い出ると、査定されて、ボーナスが下がると忠告してきましたが、僕は精神的な負担が少なくなるのなら、ボーナスが下がってもいいときっぱりと伝えました。ほとほと疲れきっていましたから」

 とはいえ、誰もが担当を避けたいのが、その取引先の課長。「次が決まるまで、ちょっと、待ってくれ」と上司に引き止められて、吉村さんは渋々承知します。

業務時間外の電話対応には罰則も

 ところが取引先の課長が、担当変更依頼の件をかぎつけてきて、「私を侮辱する気か」と電話で怒鳴ってきたのです。

「取引先を怒らせたということで、僕の査定は下がっていくかもしれません。でも、もしもボーナスがゼロになったとしても、今の担当のままでいることは体力的に無理。ましてや課長の意向で、社内の人事権が覆るのは許せない。再度、担当者の変更を上司に頼みました」

 だが変更の気配は今のところなし。おまけに一度、休日に電話に出たことが仇となってか、課長からの電話は土日関係なくかかってくるようになったそう。吉村さんは、もし来期になっても担当がそのままなら、人事に掛け合って、異動願いを出そうと思っているそうです。

 業務時間外に電話対応する場合、賃金や割増賃金を払わなければ、労働基準法違反であり、罰則規定もあります。ましてや厄介な課長の対応をさせられて、吉村さんの悩みはまだ尽きないようです。

特集・イラッとしたビジネスメール/電話

<取材・文/夏目かをる イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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