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キーエンスのスゴすぎ20秒面接、説得面接、ビデオ面接。元社員が語る

学び

②含有:~ C(A × B)~

思考

 さて、次は「含有」です。例えば、「クリエイティブ能力が高い人の特長を3つ挙げて」に対して、この手法で答えを導くとすれば、

・情報編集能力
・発信力
・改善力

 といった回答に辿りつくことができます。

 これはイメージでいうと、「情報編集能力(A)」と「発信力(B)」の掛け合わせが先にあり、それらを包括する形で「改善力(C)」があることで、クリエイティブ能力が高い証明になるといった構図です。

 計算式でイメージを表現すると、クリエイティブ能力=(情報編集能力×発信力)×改善力となります。理由づけとしては、

「クリエイティブとは0から1を生み出すという前提のもと、異なる価値観を掛け合わせることで新たな価値を生むものだと思います。それを踏まえると、まず必要な能力はさまざまな要素を掛け合わせて整える力、“情報編集能力”だと考えます。

 その上で、でき上がった作品が果たしてクリエイティブなものかどうかは自分のみでは判断ができません。作品の価値を測るには、自分の作品をより多く市場に晒さなければなりません。そこで、作品を発信することでその真価を見極めるというフェーズが必要になると考えるので、ここでは“発信力”が必要になってきます。

 基本的には、この双方の掛け算でクリエイティブがブラッシュアップされますが、プラスαでクリエイティブ能力が高いと言われるレベルを目指すには、市場に晒した際に得られるフィードバックを即座に再編集し、作品に再度反映させる“改善力”が必要となると思います。

 つまりは前者2点の前提のもと、そこに圧倒的改善力が加わって自身のクリエイティブを改善し続ける人こそが、クリエイティブ能力が高い人だと考えます」

 というようなことが言えると考えます。これは「三項三つどもえ」とは違い、二項対立を考えた後にプラスαを考えればいいので、今回紹介する3点の中では最も難易度が低いと考えても良いでしょう。2+1の1を後付けで定義できるからです。

③ 前提:~ C + A × B ~

 最後に「前提」です。この中では難易度2位だと考えています。もちろん、得意不得意ありますので、すべて試してみてから面接を受けてくださいね。これはイメージでいうと、「A×Bという二項対立が完成するにはそもそもCという土台がある」と言った構図になります。

「クリエイティブ能力が高い人の要素を3つ挙げて」に対するこの手法を用いた回答としては、

・(クリエイティブに関する)アウトプット量
・(クリエイティブに関する)インプット量
・実行力

 という3つが導き出せました。理由づけとしては

「クリエイティブは新たな価値を生むことなので、誰も答えがわからないのが常だと思います。そんな、教科書と呼べるものが存在しないこの領域において、その価値を見極めることは非常に難しいことです。しかし、現在の資本主義において、物事の価値を定めるのは大衆であるという真理を踏まえると、クリエイティブの質というのは、圧倒的な量を世に出した結果としての、一種、宝くじのアタリのような価値観の話になってくるでしょう。

 これを踏まえると、クリエイティブ能力を高めるには、まず作品の量を追うことに集中する必要があり、それは圧倒的なアウトプットとインプットの量でのみ担保されると思うんです。ただし、その前提には『答えのない中でもひたすら手を止めないで、アウトプットとインプットを繰り返せる実行力』が必要だと思います。実はこれが一番難しいとも思っています。以上により、実行力を前提とし、アウトプットとインプットの量が多い人こそがクリエイティブ能力が高い人と定義できると考えます」

 と、このように言えます。この手法は「②含有」とは違い、Cの後づけができません。よって、若干、難易度が上がる考え方にはなりますが、二項対立が使用できるため、三項三つどもえよりは簡単な部類に入ります。

 このように、3つの要素を導くにはさまざまな思考フローが存在します。また、より重要なのは、この思考を一瞬で行わなければならないということです。「論理的思考力と思考のキレ」が求められるというのがよくわかりますね。

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