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なぜ企業は面接で「志望のきっかけと動機」を聞くのか?

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 求人・転職ポータル事業と新卒向けキャリア支援事業を行っている吉田敬悟です。新卒就活・転職など“キャリア開発”に関するノウハウを伝えるこの連載。今回は就活生や20代ビジネスマンが頻繁に求められる「言語化のやり方」について話していきたいと思います。

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※画像はイメージです(以下、同じ)

 上司や同僚への報連相やプレゼンなど、ビジネスシーンにおいて「言語化する力」は他者を巻き込むために必須の能力となります。

 近年、「言語化できないモノゴトにこそ価値がある」という見方があり、それ自体は間違いないのですが、それは「言語化ができる」という基礎スキルありきで、初めて到達し得る領域だと考えます。

 人に説明するのが苦手な人や、思考力や仮説力を高めたい人におすすめの内容となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそも言語化とは?

 それでは最初に言語化とは何か? について読者のみなさんと合意を取りたいと思います(言語化を言語化しなければならないというのは皮肉なものですが……)。ここでの言語化とは、

「相対的な尺度を持たれてしまう抽象的な言葉に対して、客観的な尺度を与え、その言葉の使用において起り得る認識の誤差をなくすこと」

 と定義します。例えば「相対的な尺度を持たれてしまう言葉」の例として「速い」などがあります。これは言わずもがな人によって「速い」の感覚値が異なるので認識の齟齬が起こりやすいと言えます。

 Aさんにとっては時速100kmから速いと感じるかもしれませんが、Bさんは時速150kmからそう感じるかもしれません。一方で、「時速100km」というのは人の価値観や感覚値が異なろうとも、認識の齟齬は起こり得ません。「時速100km」は「時速100km」として客観的な尺度を持つためです。

 と、このように、一般的にモノゴトに「客観的な尺度」を与えるときには「数字」が多様されます。一般的に数字という概念は人類共通の尺度であり客観性の極致と言えるからです(諸説あり)。

 ただし、今回のテーマである言語化とは時に、その数字という便利アイテムを使わずして、モノゴトに客観性を持たせることが求められます。ここがひとつ、言語化の難しさと言えるでしょう。

言語化の方法① 構成要素を洗い出す

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 言語化のやり方について具体的に考えていきましょう。今回は2つの方法論を紹介します。

 まず1つ目。言語化を行うにはモノゴトの構成要素を洗い出す力が必要になります。例えばあなたに小学1年生の子供がいるとして、将来はプロ野球選手にさせたいとします。

 ここであなたは「野球」を子供にどのように伝えますか?

・9人で行う
・チームでやるスポーツ
・攻撃と守備がある
・9回までやる
・3アウトで攻守交替

 などなど……。

 野球というフレームワークの中にあるさまざまな情報を当てこむことで、野球を何とか伝えようとするでしょう。そしてなにより、これこそが野球の「構成要素」と言えるのはもうお気づきだと思います。

 ビジネスシーンにおける言語化についても、これと同じようなことを行えば良いだけなのです。それでは、具体的な事例を踏まえて、「言語化」のフローを辿ってみましょう

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