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西武信用金庫、反社会的勢力に融資か。若手職員が見た問題点とは?

ビジネス

 東京都中野区に本店を置く信金大手の西武信用金庫が、反社会的勢力と関わりのある企業に融資していた疑いがあるとして、世間の注目を集めている。

西武信用金庫

photo by Suikotei CC BY 4.0

不正融資発覚の背景に、あの事件が

 日本経済新聞(今年4月9日)などの報道によると、西武信金は、反社会的勢力への融資を組織的に行い、当該の取引先との会食を重ねた幹部は、反社会的勢力と認識したうえでも、融資を続けていたおそれもあるという。昨年秋からの金融庁の立入検査で判明したことが、今年4月に報道された。

 反社会的勢力への融資をめぐっては、2013年に発覚したみずほ銀行による暴力団融資事件が記憶に新しい。2年以上にわたり、2億円以上の不正取引を行っていたとして、金融庁から業務改善命令を受けるなど世間の批判を浴びた事件だ。

 なぜ今回、西武信金の不正融資が発覚したのか。その背景には、2018年の静岡県沼津市に本店を置く地方銀行、スルガ銀行の不正融資問題があると言われている。

 この事件では、シェアハウス「かぼちゃの馬車」運営していたスマートデイズと、そのメインバンクであるスルガ銀行が、投資家に融資を受けさせやすくするため、通帳の写しの改ざんや貯蓄の水増しなどの不正行為に手を貸していたことが明らかになった。スルガ銀行の一件以降、金融庁は地域金融機関の実態について調査を進めていたが、その過程で本件が発覚したとされている。

 なお、西武信金では「反社会的勢力への資金提供は、絶対に行わない」「反社会的勢力による不当要求に対しては担当者や担当部署だけではなく、組織全体として対応する」という「反社会的勢力に対する基本方針」を掲げていたが、今回の不正融資報道については今のところコメントを発表していない。また、金融庁は立ち入り捜査を進め、現在、行政処分を検討している。

西武信金の規模は?

 不正融資の疑いがかけられた西武信金とはどういった金融機関なのだろうか。設立は1969年で、東京都、埼玉県、神奈川県の一部を営業地域として展開し、支店数は74店。基本理念には、人が経営の原点という「人間主義」を掲げている。

 協同組織金融機関であるため、会員の自治に基づいて運営されている非営利法人だ。地区内に、居住していたり、勤務地があるなどの条件を満たした会員は1人1票の経営に対する議決権を持ち、その会員数は約10万4000人にものぼる。

 西武信金の預金残高は2兆643億円(2018年9月30日時点)で、やや時期が異なるが、帝国データバンクによる「東京都内に本店を置く23信用金庫 預金・貸出金調査」によると、預金残高では城南信用金庫、多摩信用金庫、城北信用金庫に次ぐ4位、貸出金残高では1位となっている(2018年3月末時点)。

 預金残高の増幅率は、前年比10.64%増と、2位の東京信用金庫の5.47%を大きく引き離しており、苦しい昨今の銀行業界において大きく成長している企業であることが読み取れる。