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伸びたヒゲもきっかけに。20代ディレクターが目指す「新しい働き方」

学び

 働き方改革が話題の昨今、「自分が今後、どうしたら活躍できるのか」「10年後、どんな仕事をしているのだろうか」と悩んでいる読者も多いはず。そこで、ちょっと変わった働き方やお仕事をしている若者の話を聞き、新しい働き方について考えてみてはどうでしょうか。

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※画像はイメージです

 今回、話を聞いたのはデザイン制作会社でディレクターとして働くかたわら、カメラマンとしても活躍する「制作ディレクター兼フォトグラファー」のなかむらしんたろうさん

「もともとは名古屋の物流会社の人事部として働いていた」と語る、なかむらさん。果たしてどのような「理想の働き方」を目指しているのでしょうか?

不安を振り払って飛び込んだ「東京」

――ここ最近、姫乃たまさんの写真集『私小説』をはじめ、さまざまなメディアでフォトグラファーとして名前を見るようになりましたが、本業はあくまでディレクターですよね。今の仕事をするまでは何を?

なかむらしんたろう(以下、なかむら):2年半前までは名古屋にいて、今より事業規模の大きい会社で人事総務を担当していました。それと並行して、入社後に「次の仕事への準備」と思って、コピーライター養成講座に通っていました。

 学生時代から、何か自由な発想がカタチになる仕事がしたいと思っていましたが、当時はまだ自分のなかで具体的に「これがやりたい!」っていうのがまだ見つかっていなくて、就活は全然うまくいかなかったんです。ただ、ぼんやりと「具体的な成果物の伴う仕事への憧れ」はずっと持っていて、実際に働きはじめて、自分のなりたい姿をより現実的に考えるなかで、その気持ちが強くなったんですよね。

――上京して、今の仕事をすることになったきっかけを教えてください。

なかむら:今の仕事をするだけであれば、名古屋でもよかったと思います。上京するに至った要因のひとつは、「地方でのみ働き続けることの危機感」を持ち続けていたことです。人との出会いや成長の機会が圧倒的に多い“東京“を、人生で経験しないことが本当に怖かったんです。

 社会人1年目の秋に不安を抱えながらも勇気を出して、東京ならではのウェブ制作系の方々が集まるイベントに1人で飛び込みました。名古屋では出会わないであろう職種の方々の話を聞いた上で、今後の働き方の参考にしたいという当時の強い想いが、重くて大きい一歩を踏み出させてくれたんだと思います。

 このイベントは、ツイッターで目にとまったものですが、このとき偶然知ったのが、今の会社なんです。その後、数年に渡って関わるなかで、縁あって、その会社に転職+上京できました。あの時、無理してイベントに飛び込んでみて、本当に良かったなと思っています。

「僕」を覚えてもらうことで、仲間ができる

なかむらしんたろう

なかむらしんたろうさん

――仕事をする上で、意識していることはありますか?

なかむら:全ての行動に「意味付けをする」ことは意識しています。例えば、見た目を誰かが突っ込めるようにしてみたり(笑)。前の会社をやめて上京するまでの間、今のようにヒゲを生やしていたんですが、今の会社に入社して、すぐに全部剃ったんです。そしたら、上司から一言。

「どうせヒゲを剃るなら何か意味を持たせないともったいないだろ」って。

――それは……なかなか予想外な指摘ですね(笑)。

なかむら:この時、妙に納得しちゃったんですよね。意味を少し乗せるだけで印象って大きく変わるなと。なので、当時は3か月に一度だけヒゲを全部剃るルールにしていました(笑)。

 そうすると、ヒゲの有無で「あれ? 誰かわからなかった!」みたいなコミュニケーションが発生するんです。くだらない話ではあるんですが、この風貌なので初対面の人にも覚えてもらえたり、声をかけてもらいやすくなったり。ちょっと「おいしいな」と思って、この意味のわからない独自ルールを設けていました(笑)。

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