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くりぃむ上田晋也の付き人芸人に聞く「コミュ力が低い人」の“強み”とは?

学び

「嫌われてもいい」が好かれるきっかけに

浜ロン

「メシ食って生きるだけの人生。何で周り評価を気にしなきゃいけないんだろう」って

――他人の評価が気になる場合はどうすればいいですか?

浜ロン:クライアントの人とかなら、もちろん評価を気にすることは必要だと思います。でも僕、30歳過ぎたくらいに、突き詰めると人間なんてただメシ食って生きるだけ。それだけの人生なのに何で周り評価を気にしなきゃいけないんだろうって思ったんですよ。

 でも、嫌なこと言われたら気にもなるし、腹は立ちますよね。ただ人間って不思議で、嫌われても構わないって態度を取ると、急に好かれたりするんですよね。嫌われたくないって行為は、自分を消して相手に合わせることだと思うんです。それって自分の魅力を消してるから輝かないんですよ。結局、損するんですよね。

――仕事を楽しくする方法はありますか?

浜ロン:何でしょうね。でも20代の後半くらいにはっきり思ったのは、仕事を好きになるか、仕事以外の趣味に情熱を燃やすかのどっちかだと。だから、仕事が好きじゃない人は趣味に使うためのお金を稼ぐって考えたほうがいいでしょうね。

 僕は何回かバイトをしたんですけど、楽しかったバイトって職種じゃなくて人間だったんですよ。人間関係がうまくいけば、多少のツラい仕事も我慢できるんですよね。職場での人間関係を良好にするっていうことが大切なんでしょうね。難しいですけどね。

コミュ力に自信がないなら“繊細さ”を活かすべき

浜ロン

「20代は仲間内で好きなだけ愚痴ればいい」

――コミュニケーション能力にコンプレックスを持っている人はどうすればいいですか?

浜ロン:「コミュニケーションが苦手な現代人」とかって言うじゃないですか。でも、僕が若い頃も言われてたんですよ。だから、若者ってそう言われるものなので気にすることはないと思います。コミュニケーションって単純に自分が相手を好きになるか、好きになってもらうかのどっちかだと思うんですよね。どっちを目標にするかで変わるような気がします。好きになるのは自分の意志なので簡単ですよね。相手に好意を示せば完全に嫌われることはそんなにないと思います。

――なるほど。意外と単純なものなのかも。

浜ロン:コミュニケーション能力が低いってことは耐性が低い、耐性が低いってことは繊細だと思うんですよね。繊細な能力を活かすべきだと思うんですよ。繊細だから人にこう思われたら嫌で、だから積極的になれないっていうのは実は“気づく能力”が高い。そういうポジティブな見方もできるんですよ。面の皮はだんだん厚くなっていくものなので、時が経って図々しくなればその能力がプラスに発揮される時がくるはずです。

 20代は酒飲んだときにでもめちゃめちゃ愚痴ればいいと思うんです。愚痴ったり逃げたりすることはかっこ悪いみたいな考え方は嫌なんですよね。だから、感情が疲れてしまったら、逃げてもいいと思います。本当に最後は自分を守ってあげることが必要です。

――20代ビジネスマンに向けて、何かメッセージはありますか?

浜ロン:僕も以前はコミュニケーションを取るのが苦手でした。クラスメイトを笑わせようとしていたのも、目立ちたいというより生きる場所探しみたいなところがあったと思います。コミュニケーションが苦手だと思っている人は、内向きで自分の視点からしか見えなくなっているのかもしれません。そもそもコミュニケーションが得意な人ってあまりいないと思うんです。「得意」って堂々と言う人は空気読めてない人が多いですから(笑)。

 コミュニケーション能力が低いまま何年も働いてたら、「あいつ寡黙だけど一生懸命仕事するな」って評価されることもあります。コミュニケーション能力の低さは時が解決するっていうこともある。なので、何事も経験と思って、20代をストレス溜めずに過ごして時が経つのを待つのもいいと思います。そんなに焦らずに人生を進んでいってみてください。

浜ロン

<取材・文/ちよまる子 撮影/鈴木大喜>

東京都出身。テレビをこよなく愛するライター。Twitter:@chiyomarumaruko

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