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「接待の席で失禁」するヤバい取引先を持ってしまった25歳の悲劇

キャリア

身長170センチのモデルかタレントの卵

 実は38歳にして未婚で彼女もいなかった早川さん。そこで、矢島さんは合コンをセッテングしようとします。すると、早川さんからは「身長170センチぐらいのモデルかタレントの卵がいい」と予想外に高望みな返答がきたそうです。

「身長170センチで、タレントの卵って、ビックリしましたよ。本人は全然イケメンではないので、理想がめちゃくちゃ高すぎですよね。女の子を集めるだけなら不可能な話ではないですが……。まぁ要するに合コンを拒否しているってことですね」

 小心者にありがちのプライドの高さと女に対する中途半端な理想のせいで、合コンセッテングの計画も消えました。

 そうこうするうち、新年度に変わる少し前に、早川さんが主任を降ろされそうになるという噂が流れました。もちろん原因は失禁。矢島さんも「密かに新しい人がやってくるかもしれない」と期待したのですが……。

「でも年度が新しくなっても、早川さんは変わらず主任のままでした。ガセだったようです。ここまでくると実は仕事自体は優秀なのか、あるいは社内に強力なコネがあるとしか考えられません。どちらにしても、私の苦労は変わりませんが」

元カノと大喧嘩して行方不明に

取引先8

 結局、早川さんの失禁を心配しながら、矢島さんはこれまで通り接待をし、まさかの場合には、店側に謝罪をするという日々が続いたそうです。ところが――。

「ゼネコンの同僚の結婚式の三次会で、たまたま元カノと再会した早川さんが、大喧嘩した挙句、会場を飛び出してそのまま行方不明になってしまったのです」

 そして、1週間後、たまたま会社近くの繁華街の路地で半ばホームレスのような格好で警察に発見され、挙動不審だったのでそのまま保護されてしまったのです。

 やがて競争の激しいゼネコンを退社して、アルコール依存症の治療施設に入所した早川さん。今では田舎に帰って、リタイア生活を送っているようです。

 一方の矢島さんはそれからというもの、場末の飲み屋のトイレで「失禁するな」の張り紙を見るたびに、早川さんのことを思い出して、少し悲しくなるそうです。どちらにとっても切ない気持ちになる出来事だったようです。

特集・モンスタークレーマーとの死闘 Vol.9 ―

<取材・文/夏目かをる>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。Twitterは@kaworummoonrive

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