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【マイルの神に聞いた】ロンドンタッチとは?トンデモ機上生活者、JALマイル修行で1週間に2回の荒技

コラム

エアラインのマイレージが誕生して26年。使われ方の選択肢以上に貯め方の手法は千差万別で、楽しめる要素が大きければ大きいほど達成感は増して次のステップへ進みたい気持ちは嵩じるようです。赤組、青組と言われるようにJALとANA、それぞれの推しマイラーがマイル獲得の為に奮闘する姿を追ってみました。

ギネス記録になる数字

まずは赤組のJAL。ギネス記録に名を残すツワモノをみつけました。その達成した数字はわれわれの想像を大きく超えるものになっています。ギネス記録を見ながら難易度の低いものから高いものの順に彼の功績をご紹介してみましょう。

羽田空港第三ターミナルから海外へ出発するJAL機

羽田空港第三ターミナルから海外へ出発するJAL機(筆者撮影)

飛行回数への挑戦

1つめの記録として「1週間の最大搭乗回数の78回」です。この数字を1日単位で考えてみると搭乗回数は11回を超えています。毎日11便を連続で7日続けるというのはかなりなハードなことは間違いありません。鹿児島、沖縄の離島路線で可能となるこの記録に挑戦するには、自宅を離れ遠征という形をとり、毎日初便で出発し最終便まで乗りとおすことになり、ホテルなどでは寝るだけとなってしまいます。

2つめに「月間搭乗回数228回」の記録が残されています。単純計算すると、1日に7.6回になります。毎日平均値で乗り続けるか、毎日11便に搭乗すると約21日かけての達成ということになります。連続で3週間も毎日10便以上搭乗するとは、どんな飛行機好きでもかなり疲れるのは間違いありません。

一年間空に浮く

そして3つめは、大記録となる「1年間で2475回」の搭乗です。この記録も一日に換算すると、6.8回です。毎日7回近く搭乗して一年間というのは途方もない回数だと思いませんか。一日11回を繰り返したとしても、年間の62%となる225日掛かることになり、まさに機上で生活をしている感覚です。自宅が空に浮かんでいる感覚とはどのようなものでしょうか。ギネス記録には、コロナ禍で苦しむ航空業界を支援するためと書かれていますが、その気持ちだけではなかなかできるものではありません。

国際線でも

次に同じ挑戦者が目指したのは国際線の同一目的地への繰り返し搭乗です。JAL国際線で選ばれた場所はロンドン。もはや、ロンドンは目的地ではなく目的を達成するための場所になりました。
行程は次のようになります。(2022年冬スケジュール)
JAL043 羽田→ロンドン 9:35 15:00  (飛行時間14時間25分)
JAL044 ロンドン→羽田 17:45 16:50+1 (飛行時間13時間5分)

現地滞在2時間45分、全行程30時間15分の機内1泊2日の行程となります。

2か月間でこの羽田⇔ロンドンを飛び、ロンドンで降りてまたすぐ同じ機体に乗り込むことの繰り返しを16回も成功させています。週に2回のペースでロンドンへ向かいすぐに折り返すその挑戦はトンデモナイのひとことです。

ロンドンヒースロー空港

このロンドンヒースロー空港を週に二度訪問する(筆者撮影)

特定路線の記録は

次に青組ANAのマイルを貯めている人の挑戦をご紹介します。距離を稼ぐために、羽田空港からであれば、那覇や石垣、宮古などが目的地になる場合や、北海道では北の稚内やオホーツク紋別などが好まれるようです。

この中で、人気となったのは、最初はハードルの低い国内線の挑戦です。1日1往復が設定されている羽田空港からオホーツク紋別空港を日帰りする「紋別タッチ」という利用方法です。この路線は、現在の時刻では以下の通りとなります。
ANA375 羽田 → オホーツク紋別 10:45 12:30 (飛行時間1時間45分)
ANA376 オホーツク紋別 → 羽田 13:05 14:55 (飛行時間1時間50分)

現地滞在35分、実所用時間4時間10分の同日日帰り行程になります。

空港の敷地外に出ることは難しいですが、空港ターミナルビルの外に出てその土地の空気を吸うことはできますし、空港内でお土産を買うことや、展望デッキで飛行機の写真を撮るなどは短時間滞在でも可能です。

挑戦者の中にはこの日帰り行程を120回ほど経験し、うち2021年の10月は30回利用したとのことで、毎日紋別に向かった主婦もいるといいます。

羽田空港へ着陸するANA機

羽田空港へ着陸するANA機(筆者撮影)

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