鹿島、大林組…生き残るのは?将来安泰な「スーパーゼネコン」はわずか2社だけ
大成建設:国内比率が高い
次に大成建設株式会社の業績を見ていきましょう。事業セグメント(1)土木、(2)建築、(3)開発の3つです。開発事業では不動産の売買や賃貸を行っています。なお、鹿島建設や大林組は海外へ積極的に進出しているものの、大成建設の海外比率はわずかです。2019/3~2022/3期の業績とセグメント別の売上高は次の通りです。
【大成建設株式会社(2019/3~2022/3期)】
[全社業績]
売上高:1兆6509億円→1兆7513億円→1兆4801億円→1兆5432億円
営業利益:1533億円→1678億円→1305億円→961億円
最終利益:1126億円→1221億円→926億円→714億円
[セグメント別売上高]
土木:4386億円→4911億円→4508億円→4415億円
建設:1兆1304億円→1兆2248億円→9607億円→1兆0017億円
開発:1219億円→1183億円→1329億円→1387億円
端境期&コストアップに苦しむ
2020/3期は東日本大震災の復興事業や五輪関連事業など、公共向けの建築・土木事業が好調となり、業績を伸ばしました。ちなみに新国立競技場は大成建設が手がけています。なお民間向けも好調で、製造業による設備投資が業績に寄与しました。
ただ2021/3期は前社2社同様、大型案件の端境期となったことで減収減益となりました。コロナ影響による工事の中断も減収要因となっています。
翌2022/3期は前年より売上高が伸びたものの、コロナ前の水準には回復していません。その上で建築事業では建材料費高が利益を圧迫し、全社利益は大幅に落ち込みました。
2023/3期は第2四半期段階で通期売上高1兆7700億円、営業利益970億円を予想しています。2022/3期よりはやや伸びると見込んでいますが、今後について同社は国内市場の競争が激化すると予想しています。