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日本電産、TDK…「電子部品大手」5社の成長戦略。“中国依存”が裏目に出た企業も

ビジネス

 自動車や電子機器類、そして、それらを生産するために使われるロボット・機械類には多様な電子部品が使われています。現在、ICT投資やデータセンターの整備のほか、自動車の電装化やEV化によって電子部品需要は伸び続けています

EV

画像はイメージです

 好調な市場環境の中で電子部品業界はコロナ禍でも業績を伸ばしていますが、中国依存度の高い村田製作所は不調なようです。近年における各社の業績推移を見ていきましょう

日本電産:電子部品業界のトップ

 電子部品業界のトップとして位置づけられる日本電産株式会社。主な製品はモータ類であり、電子部品として使われる精密小型モータから大型の産業用モータまでさまざまな種類の製品を生産しています。日本電産の決算資料では製品グループごとに業績が公表されており、各グループの主な製品類は次の通りとなっています。

(1)精密小型モーター:HDD用モータ、振動モータなど
(2)車載:車載用モータ、自動車部品
(3)家電・商業・産業用:家電・商業・産業用モータ
(4)機器装置:産業用ロボット、カードリーダ、検査装置など
(5)電子・光学部品:スイッチ、カメラシャッターなど

コロナ禍でも主要3事業は増収

ニデック

画像は公式サイトより

 なお2020/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。

【日本電産株式会社(2020/3期から2022/3期)】
収益:1兆5348億円→1兆6181億円→1兆9182億円
営業利益:1086億円→1600億円→1715億円
最終利益:585億円→1219億円→1369億円
売上高(1)精密小型モーター:4243億円→4436億円→4249億円
売上高(2)車載:3332億円→3581億円→4176億円
売上高(3)家電・商業・産業用:5626億円→6016億円→7866億円

 2021/3期はコロナ禍だったものの、主要3事業がいずれも増収となり、全社売上高及び利益が改善しました。精密小型モーター事業では主力のHDD用モータの需要が減少した一方、IT用ファンモータやゲーム機用モータなどの他製品が好調だったためセグメント全体では増収となりました。

 車載事業の増収はM&Aによる子会社化に関連した増収であり、前年度に引き続きの増収要因です。家電・商業・産業用事業は子会社の好調や、近年需要が伸びている搬送用ロボット向けのモータ需要の伸びが牽引し、増収となりました。特に付加価値の高い車載・産業向け製品が伸びたことで、同事業単体では56%も営業利益が増加しました。

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