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日本電産、TDK…「電子部品大手」5社の成長戦略。“中国依存”が裏目に出た企業も

ビジネス

「自動車の電装化」と「ノートPC需要」

 2020/3期から2022/3期までの業績は次の通りです。

【TDK株式会社(2020/3期~2022/3期)】
売上高:1兆3630億円→1兆4790億円→1兆9021億円
営業利益:979億円→1115億円→1668億円
最終利益:578億円→793億円→1313億円
売上高(1)受動部品:3955億円→4071億円→5052億円
売上高(2)磁気応用製品:2197億円→1993億円→2485億円
売上高(3)エナジー応用製品:5977億円→7402億円→9653億円

 2021/3期の業績を見ていきましょう。受動部品事業は自動車向け・産業機器向けが好調だったコンデンサや、PC類などICT向け需要が伸びたインダクティブデバイスに支えられ、セグメント全体で増収となりました。

 一方、HDD向けが主力の磁気応用製品事業は日本電産同様、HDD向け製品の販売が減少したことで減収となります。しかし、ICT向けや産業機器向けのリチウムイオン販売が特に伸びたエナジー応用製品事業が大幅な増収となり、全社でも大幅増収となりました。

 コロナ禍ではロックダウンにより経済活動が停滞したものの、自動車の電装化やテレワーク導入によるノートPC需要の増加がTDKの製品需要増加に貢献したようです

2023/3期も好調が続く

テレワーク

画像はイメージです

 翌2022/3期は売上高がさらに伸びて過去最高を記録しました。受動部品事業は自動車向けが好調となったほか、磁気応用製品事業もICT向けの好調やHDD用品の販売増加が増収に寄与しました。

 エナジー応用製品については引き続きリチウムイオン電池の需要が伸びており、増収となりました。2021年度は前年に続く自動車向けの好調やノートPC需要の増加に加え、産業機器などへの設備投資が回復したことで同社の製品需要が大きく伸びました

 日本電産同様にTDKも2023/3期は好調であり、第2四半期時点での売上高は前年度26%の1兆1220億円となっています

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