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25人死亡の大阪ビル火災、雑居ビルでの放火で“命を守る行動”をするには

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 2021年12月17日、大阪府北区のビル4階にある心療内科のクリニックが放火された。焼失面積は小さかったが、一酸化炭素中毒等で25人が犠牲になった。都心にある雑居ビルのテナント内通路は基本的に狭いところが多いため、火災や事件が発生すると、逃げ場を失う可能性は高いようだ。

消防車

画像はイメージです(以下同じ)

 雑居ビル内で火災に巻き込まれてしまったときにどんな対応をすればよいのか、防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹氏に意見を聞いた(以下、古本氏寄稿)。

京アニ事件との共通点

 これまでの事例でも2019年に京都アニメーションのスタジオが放火され、70人近い死傷者が出た事件は記憶に新しい。出火から数秒で煙が3階に到達、さらにかなりの速さで摂氏100度を超える煙が充満し、2階から上の空間のほとんどが煙で満たされたとされる。

 今回の大阪での事件も、フロア中に火とともに一酸化炭素が瞬く間に充満、高温に達したことが、犠牲者を増やしたしたと考えられる

 こうした放火事例では、2019年には尼崎市役所が放火未遂があったように昨今、役場など自治体が狙われることもある。同じく公共性の高さから医療機関でもこうしたリスクに直面することが少なくないはずだ。

自治体や医療機関が狙われるケースも

病院

 また、メンタルを扱う心療内科や精神科という分野は、正直言ってリスクは上昇するだろう。どんなに医療スタッフがケアしても患者側に伝わらない場合もあるし、コミュニケーションがとりにくいなかで、診療を進めなくてはならないというジレンマもあるだろう。

 実際、犠牲になった院長も何らかのトラブルについて示唆していたという。このトラブルが本件の容疑者と関係があるかは不明だが、院長含め他のスタッフも常に苦労の中で尽力していたに違いない。

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