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東京五輪は「クラスター化」の懸念も…3つの開催リスクを専門家が指摘

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 指摘、賛成や反対意見が渦巻くなか、2021年7月23日に東京五輪が開幕する。筆者(古本尚樹)も新聞、雑誌等で、危機管理面からの新型コロナや五輪との関係について指摘し、論じてきた。

東京オリンピック

画像はイメージです(以下、同じ)

 今回の東京五輪は、学術的にもレアな内容になり、後世に残る「教訓」としての意味がある。防災や災害医療面での、大規模イベントでのテロ対策や事故・事件対策は、マスギャザリング(一定の期間に限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団)という分野になる。

 この分野において、今回の東京五輪は、ことあるごとに語られるに違いない。そこで、今回はマスギャザリングの観点で、今回の五輪と新型コロナでの影響を論じたい。

ウィズリスクの中での開催は史上初

 執筆時の前日(2021年7月14日)に、東京の感染者は1100人を超えており、リバウンドと「第5波」に突入していると言ってよい。東京ばかりではなく日本全体で感染者は増加しているが、問題なのは重症者の数が、高止まりしていることだ。

 こういったウィズリスクの中で、五輪を迎えるのは史上初になる。政府や五輪組織委員会が示す「安心・安全」の指標が何を指しているかは不明だが、明らかに「非安心と不安全」だ。しかし、大規模イベントが成立するか、どういう結果になるかということには関心があるし、これは学術的には貴重な例になる。

東京五輪は“挑戦”のようなもの

ミュンヘン

『ミュンヘン』販売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン ¥1572

 かつて、五輪でテロが発生したケースがある。もう半世紀も前のことで、記憶にある人はそう多くないだろう。「黒い九月事件」とも称される、1972年の「ミュンヘンオリンピック事件」である。

 五輪開催期間中にパレスチナのテロリストがアスリートを人質にとり、現地警察と銃撃戦になった結果、イスラエルのアスリート11名が犠牲となった。五輪におけるテロ対策が強化されるきっかけであると言っていいだろう。

 一方、今回の東京五輪は、新型コロナの感染拡大中というなか開催する。これは「恐ろしいリスクの中で大規模イベントを行えるか」という“挑戦”に近いものだと思う。

 ただし、その“挑戦”は前向きなものではなく、国外を含めた様々なプレッシャーの中で、「ごり押し」されている感はかなりある。あえて皮肉を言うと、政府らの呈する「安心・安全」な大会がどう展開されるかは、私達国民がしっかり目に焼き付ける必要があるし、それは国際的にも注目されるだろう。

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