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25人死亡の大阪ビル火災、雑居ビルでの放火で“命を守る行動”をするには

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もし火災に巻き込まれた場合は…

非常階段

 いわゆる雑居ビルは通路や階段が狭いことが多い。かつ非常階段がうす暗かったり、段ボールやごみなどが置かれていると、避難時の妨げになる。

 本来は緊急事態に備えて避難経路を確認すべきだが、いち利用者がわざわざそうはしないだろう。比較的きれいなビルでも多くのテナントが入居していたとしたら、避難時、多くの人が一挙に集まるので危険が伴うことが多い。

 もし安全なビルかどうかを判断するのであれば、ある程度広めの通路が確保されていることや、避難経路の明示、説明のわかりやすさがひとつの判断基準になるだろう

 また、各階が専有のテナントになっている際には、安全対策としては複数の出口が確保されるとより安心感が高まる。1か所しかない出口に殺到することは当然危険が伴うからだ。

腰を曲げて頭を窓の外に下げ、救助を待つ

 京アニ事件を契機に京都市消防局は「火災から命を守る避難の指針」を出している。煙は一瞬で上に広がるため、姿勢を低くし、浅めの呼吸をしながら、タオルや服などを口と鼻に当てて移動することを推奨している

 煙で周囲が見通せなければ、床や壁に手を当てて四つんばいになり、這(は)うように移動して一時的な避難場所を見つける。部屋の床や角、階段の踏み面の隅には空気が残っている可能性が高いという。 

 窓があれば顔を出して外気を吸う。窓から多量の煙が噴き出して呼吸できないなら、「くの字」に腰を曲げて頭を窓の外に下げ、救助を待つ。消防隊は壁を頼りに要救助者を捜すため、動けないようなら壁際にいるべきだろう。

 2階のベランダや窓にぶら下がって地面に降りるという最終手段もあるが、京都市消防局の担当者は「3階以上の場合は窓から飛び降りるのは危ない。はしごを掛けてもらって避難する」ことを指摘している。

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