bizSPA!フレッシュ

宅配寿司業界で一人勝ち「銀のさら」、創業社長が明かす秘訣は“怒らない経営”

ビジネス

 コロナ禍の巣ごもり需要が後押しし、フードデリバリー市場が急成長している。しかし、先行投資がかさみ、ウーバーイーツや出前館などの大手でもなかなか黒字化できていないのが実態だ。

銀のさら

銀のさら

【画像をすべて見る】⇒次へ>をタップすると次の画像が見られます

 そんな中で、宅配寿司で一人勝ちと言っていい快進撃を続けているのが、宅配寿司「銀のさら」などを展開するライドオンエクスプレスだ。11期連続で増収を遂げている同社の江見朗社長に成長の要因を直撃すると、返ってきた答えは「運が良かったから」。一体どういうことなのか?

サンドイッチ販売事業からスタート

 同社の創業は1992年。岐阜県でサンドイッチ販売事業からスタートした。

「最初はサンドイッチを台車に載せて売りに回っていたんですよ。でも夕食にはならないので、日中しか売れないんですよ。同じ場所でも別の業者のお弁当が飛ぶように売れていくのを横目に『やっぱりお米は日本人の主食だからよく売れるな』って、当時は他人事のように感心してましたね(笑)」(江見社長、以下同じ)

 事業は20店舗以上を展開するまで拡大したが、軽食のサンドイッチに限界を感じていた。そんな時、店舗の隣に気になるお店があった。

隣になった寿司店から機材を引き継ぐ

銀のさら

江見朗社長

出前もやっているお寿司屋さんがあって、気になってよく観察してたんですよ。実は若い頃にアメリカで寿司職人をやっていたことがあって、お寿司やりたいなって思ってたんです。でも事業としては素人ですからね。しかも、こちらは小規模とはいえデリバリーのライバルなので、さすがに『教えてください』とは厚かましくて言い出せなくてね(笑)。

 でも、なぜかある日、『今日言わないとマズい』気がしてお寿司屋さんに行ったら、なんと廃業するみたいでトラックで機材を運び出していたんですよ。慌てて『ちょっと待ってください!』って駆け寄ってね。運が良かったんです」

 引退する寿司屋の店主から機材を譲り受け、ネタの仕入れ先なども引き継ぎ、1998年に宅配寿司「寿司衛門」第1号店をオープン。事業は好調に滑り出したが、想定外の問題に直面した。

おすすめ記事