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「ワンピース」尾田先生もハマったピン芸人が引退…「30歳無職」からの就活に成功する道のり

暮らし

ひとつの仕事をやり遂げるべき

――今、夢を目指すか諦めるか迷っている人へ伝えたいことはありますか?

内藤:僕の経験で言うと、例えば芸人を半年間だけやってから転職してもうまくいかなかったと思うんです。それは芸人として「やり遂げたこと」がまだないから。表立った成果ではなくて、自分の中でのルールでいいので、その仕事で何かを「やり遂げた」と思えてから、次へ移る方が絶対にうまく行くと思います。

 他からの評価ではなく、自分でやって来たことを熱くきちんと語れるというのは大事だと思います。僕は芸人時代にTik Tokを結構頑張っていて、フォロワー数を4か月で2万5000人増やしたんですよ。それは就活の時にも自信を持って言えました。

自分の価値をむやみに下げるな

しんぷる内藤

――最後に、転職や仕事のことで悩んでいる人にメッセージをお願いします。

内藤:「自分の価値をむやみに下げるな」ということです。僕は芸人を辞めて30歳の無職になったので、就活の時は全然自信がなかったので「僕なんて、たいしたことないですよ=謙虚」だと思ってたんですよ。でもそれって、自分の価値をただ下げているだけですよね。

 実際、僕も就活する時に「いくら欲しいですか?」と聞かれて「こんな僕でも、働かせていただけるならいくらでも」とか言っちゃうんですけど、そしたら本当に信じられないくらい低い金額だったりしました。

 日本人は謙虚さを美徳と考えている一面もありますし、特に若い人はそうなりがちだと思います。だけど、自分の価値はきちんと自分で表現したほうが良いはずです。

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「お笑い芸人」という職業を経て、スキルを活かしながら企業人として生きている内藤さん。特異な人生ではあるが、私たちも彼のたくましさから学べることは多いのではないだろうか。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【しんぷる内藤】
1991年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。元プロダクション人力舎所属のお笑い芸人。2016年からピン芸人として活動をスタートし、伊集院光、尾田栄一郎らに注目されるも2021年引退。大手コンサルティング会社を経て、ベンチャー企業に勤務。Twitter:@simple_naitou

Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も
Twitter:@Mr_tsubaking

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