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商社を辞めて海外に出た私が見つけた「年収600万円、ムリしない働き方」

ビジネス

「サラリーマンに向いていないかも」

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酪農生活のワンシーン

 周りには、苦手な相手でも上手に根回しできたり、おべっかを使えたりする人もいたけれど、小林さんは「自分はハートでぶつかってしまうタイプ」だと語ります。

「商社では年次も重要視されるので、新卒の自分の言葉は上層に届かない。でも裏を返せば、自分の実力が足りていないということなんだなと思って。それなら、一度離れて実力をつけてから、『また戻ってきてほしい』と言ってもらえるように、がんばろうと思いました。自分らしくいることを何より大事にするためにもそうしました」

 そもそも、「うるさい上司が一人いるくらいで、こんなにも仕事に対するモチベーションが下がっちゃうなんて、サラリーマンに向いていないかも」と考えたといいます。

「高校の時からイラストを描くのが好きで、芸大に行こうか悩んだこともあったし、フリーランスで芸術の仕事をすることにも憧れがありました。まずは自分の気になることを全部やってみようと、数年間ニートになることを決意しました」

やってみて分かった「夢の叶え方」

 学生の頃に憧れた「海外での暮らし」と「イラストで生活する」という夢を、一時的に疑似体験した小林さん。しかし、どちらも本業に繋げることはなく、再就職。その理由はなんだったのでしょうか。

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海外でサイに遭遇したことも

「海外での暮らしは素敵だった反面、自分の本拠地は日本だと再確認できたんです。イラストレーターの仕事をもらえて嬉しかったけれど、いざフリーランスとしてやってみると、誰にも頼れず、1人でやることに孤独感を覚える自分もいた。結局やってみたら、どっちも本業にするほど向いてないかもと思えたんですよね」
 
 小林さんには、酪農、海外、イラスト……と、“ちょっと興味ある”ことがたくさんありましたが、体験してみたからこそ、仕事にするほどではないとわかったのでしょう。

「やってみたら本業にはできない、向いてないこともたくさんあった。やりたいことを仕事にすることだけが自己実現の方法ではないと、身をもって実感しました。私には、自由な時間を持ちやすい企業に就職して、アフターファイブに趣味として楽しむほうが向いているかも…と、再就職を決意しました」

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