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戦時中にTwitterがあったら…NHK広島「戦争体験の新しい語り方」とは

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 自粛警察、自粛下の裏口営業、買いだめ、売り惜しみ……。これらは現在のコロナ騒動の話ではない。1945年、戦時下の広島の日常だ。

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「#ひろしまタイムライン」メンバー集合写真

「もし75年前にSNSがあったら?」という仮定で、被爆者の日記を元に戦時中の広島の日常をTwitterで発信するNHK広島放送局の取り組み「#ひろしまタイムライン」を知っているだろうか。SNS上には、「自粛警察に先祖がいた」「コロナ禍の今と重なる」「75年前とは思えない」というコメントやリツイートなど驚きの反応が多数寄せられている。

実在の3人の日記を基にしたアカウント

「#ひろしまタイムライン」では、戦争に勝つことを信じて学校生活を送る13歳の中学生・シュン@nhk_1945shun)、お腹に子を宿しながら出征した夫を思う26歳の主婦・やすこ@nhk_1945yasuko)、敗戦が色濃くなる社会を冷静に見つめる32歳の新聞記者・一郎@nhk_1945ichiro)の3アカウントが、1945年の同月同日の出来事を毎日ツイートしている。それぞれ実在の新井俊一郎さん、今井泰子さん、大佐古一郎さんの日記に基づいたものだ。

 中学生のシュン、記者の一郎は今年3月26日から、主婦のやすこは5月18日からツイートをスタート。新型コロナウイルス流行の時期と重なるが、「#ひろしまタイムライン」を企画したNHK広島放送局の上松圭チーフ・プロデューサー(CP)は「時期もツイートの内容もコロナとの重なりを狙ったものではありません。全くの偶然です」と明かす。

「しかし、戦争とウイルスという違いはあれど、非常時に社会はどうなるのか、人は何を考えて行動するのか、フォロワーの皆さんが共通性みたいなものを感じ取ってくれているようです。3アカウント合計で約6万5000フォロワーがいますが、NHK広島の公式アカウントフォロワー数の5倍近くに達しています。それだけ、皆さんの心に響いているのだと思います」

戦時下の状況「75年経っても変わらず」

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日記をもとに8月6日の足取りをたどる「シュン」チーム

 コロナ禍と重なるツイートには以下のものがある。

「消燈せねば配給停止 (ある町内会では)もし午後十時以後点灯したものは、米麦など一切の配給を停止、その一戸のみならず隣組の全体責任とするという。これはちょっと行き過ぎていないだろうか」(一郎、5月26日)

「通信とは人の心と心を結ぶあたたかい紐であるが、とんでもないデマの因をつくる。空襲の被害を甚大に伝えたり、買溜め、売り惜しみの原因となった例がたくさんある」(一郎、6月18日)

「この決戦下でも裏口営業は忙しいようだ。いつの時代も、金儲けのうまい人間ばかりが世にはばかる」(一郎、6月19日)

 それに対し、フォロワーは「自粛警察の先祖がいた」「なんと数か月前にも似たような事が」「75年経っても相も変わらず」などと反応した。その他にも、モンペや生まれてくる赤ちゃんのよだれかけを縫うやすこ、休講が続くシュンのツイートに、コロナ禍の手作りマスクや一斉休校と重ねるフォロワーもいる。

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