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ヤクルト戦力外から上場企業の管理職に。27歳元プロ野球選手を救った言葉

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 プロ野球選手のセカンドキャリア観に大きな変化が起きている。日本野球機構(NPB)が2011年から行う「セカンドキャリアに関するアンケート」では、「引退後にやってみたい仕事」の1位は長らく「野球指導者」だった。

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 しかし、2018年に「一般企業会社員」、2019年に「会社経営者」が初めて1位を獲得し、球界以外の“第二の人生”を視野に入れる選手が増えている。

戦力外から上場企業で管理職に

 一方、高卒でプロ入りし、野球のことしか知らない選手にとって、ビジネスの世界のハードルは決して低くない。そのハンディキャップを乗り越え、20代にして東証一部上場企業で管理職を務める元プロ野球選手がいる。不動産ソリューション企業のグローバル・リンク・マネジメント(GLM)に勤務する又野知弥さん(27歳)だ。

 2014年オフに東京ヤクルトスワローズを戦力外となり、翌年同社に入社。2年目には社内最速で課長代理に昇進を果たした。しかし、最初から順風満帆だったわけではない。

「入社して、最初に戸惑ったのがパソコンの文字入力でした。ローマ字入力なんてしたことがないので、“ファ”とかのレベルになると、もうお手上げでした。あと、コピー機に触ったこともなかったので、コピーが一瞬で済むことを知らなかったんです。いつ終わるかなって、自分のデスクでずっと待っていました(笑)。初日から怒られた、というか呆れられていた気がします」(又野さん、以下同じ)

プロで野手に転向したものの…

又野知弥さん

又野知弥さん

 プロでの経験が生かせるどころか、マイナスからのスタート。そこから、どのように大逆転を成し遂げたのか。

 又野さんは北海道・北照高校のエースとして、春夏連続で甲子園に出場。2大会で本塁打を放った長打力を買われ、2010年にドラフト4位でヤクルトに入団した。しかし、投手から野手への転向がプロ入りの条件だったことが、大きなつまずきとなった。

「野手としてはイチからの出発でした。はっきり言って、高校生より下手でしたよ。毎日とにかく守備の基礎練習を繰り返しました。しかし、守備に集中しすぎると、今度はバッティングがおかしくなり、次第に『何でプロ入りしたんだろう』とメンタルまで崩れていきました」

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