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大仁田厚、全否定され続けた人生「だったらお前がやってみろ」

暮らし

「電流爆破デスマッチ」によってプロレス界に独自のポジションを築き上げた大仁田厚氏が、自身の半生を振り返る著書『人生に必要なことは、電流爆破が教えてくれた』(徳間書店)を上梓した。

大仁田厚

大仁田厚氏

 7度の引退と復活を繰り返し、そのリングを政界にまで広げた姿は、まさに王道の真逆を行く“邪道”そのもの。しかし、どんなにバッシングを受けようが、無様な姿をさらそうが、全身に刻まれた1500針を超える傷跡に偽りはない。

 そんな彼は著書で「電流爆破で人間の器が分かる」と語っている。一体どういうことなのか、前回のインタビューでは「大仁田氏が“本物”だと思った人物」について聞いたが、改めて本人に直撃した。

リアルな痛みが伝わるプロレスを求めて

――それにしてもものすごいタイトルの本ですよね。大仁田さんにとって、「電流爆破」とはどのような存在ですか。

大仁田厚(以下、大仁田):大仁田厚という人間を世に出してくれたきっかけ。俺の人生の起爆剤だよ。16歳の時に全日本プロレスでデビューし、10年後に左ひざの故障で引退した。でも、社会に放り出されたら結局「中卒」なんだよ。

「元ジュニアヘビー級チャンピオン」なんて関係ない。履歴書に書けるのは「長崎市立磨屋小学校卒業」「長崎市立桜馬場中学校卒業」のたった2行だけ。土木現場で働きながら、何十社と面接を受けたけど、中卒なんかどこも雇ってくれない。どこにも行き場がなくて、新宿駅のホームのベンチで缶コーヒーを飲みながら「俺にはプロレスしかない」って思い知らされたよ。

 そして、こんな俺にできるのは、「ファンにリアルな痛みが伝わるプロレスしかない」「有刺鉄線に電流を流して爆破したら、どうだろう」って、電流爆破に行き着いたんだ。

世界で尊敬される存在に

大仁田厚

リスペクトしてくれている人たちも世界中にいるんだよ

――そこから再び人生が大きく動き出しました。

大仁田:電流爆破を生み出したことで、新日本でも全日本でもタイトル争いの土壌に再び上がることもできたしね。自慢じゃないけど、電流爆破、エクスプロージョンマッチの映像は、全世界のプロレスラーが一度は目にしている。

 アメリカに行くと、デカくて屈強なレスラーたちが「ウェルカム、サー」って声を掛けてくれるんだぜ。サインも求められるしね。俺は日本ではいろいろ言われているけど、リスペクトしてくれている人たちも世界中にいるんだよ。

人生に必要なことは、電流爆破が教えてくれた

人生に必要なことは、電流爆破が教えてくれた

生き様に火薬を込めろ。自分の「これしかできない」を最大限にやりきるだけじゃあ!!

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