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六本木、銀座…ドン・キホーテは、なぜ一等地に出店するのか?

ビジネス

 街中には「どうしてあのお店は成り立っているんだろう?」とか「なぜあのお店だけ変な内装なんだろう?」といったビジネスに関する疑問があちこちにころがっている。たとえば渋谷の天津甘栗屋はなぜ超一等地に出店できるんだろう?という具合である。こうした不思議の数々を気になってネットで調べたことがあるという方も多いだろう。

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※画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、世にあふれる「気になる経営」の解説はほとんどすべてが不十分だ。本当に気になる経営の疑問を解決するには、「なぜあの会社は~なのか?」式の疑問を考え続けている「経営学」の力を借りる必要がある。そう、気になる経営は経営学を学ぶ絶好の事例なのである。題して「“気になる経営”学」である。

「驚安の殿堂」なのに…

 六本木、白金台、銀座のすべてに店舗を構える大規模なお店というと何をイメージされるだろうか。百貨店は白金台や六本木にはない、成城石井もそんなに大きな店舗を構えない、そうなると……とイメージしていっても「ドン・キホーテ」という答えにたどり着く人は少ないだろう。

 ただ、一度ドン・キホーテという答えを与えられると、今度はすんなりと納得されるかもしれない。駅近の一等地にそびえたつドン・キホーテの姿は、今となっては特に意識しないほどに、どこでも目にするものだ。しかし、そもそもドン・キホーテといえば「激安の殿堂」だったはずである。

 もともとは激安、その後は品質の高さや店舗のエンタテインメント性なども前面に出すという考えから「驚安」へとキャッチコピーが変更された。いずれにせよ薄利多売の商売のはずなのに、「なぜ一等地に大規模店舗を出店できるのか?」と疑問に思った経験はないだろうか。

 こうした疑問には簡単に出せる答え(のようなもの)と、もう少し深掘りしてみる余地とが同時に存在している。そこで次に、ドン・キホーテが一等地に出店できる理由についての一般的な答え、その次に経営学者の視点について、順次述べていく。

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