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京阪電鉄、全席指定列車「ライナー」に乗車ルポ。張り詰めた空気が…

暮らし

同じ車両なのに雰囲気が異なる

ライナー1930号

特急列車ではないため、ハトの特急マークが表示されない

 18時56分、4番線にライナー1930号出町柳行きが入線。乗客を全員降車させたあと、車掌の操作により、転換クロスシートの向きが一斉に変わる。先頭車の前面はハトの特急マークが黒幕に変わり、違和感を持つ。せっかくの有料列車なのだから、ライナー用のヘッドマークが欲しいところ。

ライナー1930号

 乗降用ドアは偶数号車のみ開き、奇数号車は丹波橋まで締め切り。駅員が乗車前にライナー券をチェックするかと思っていたが、立っていない。乗客の良心を信じているようだ。

ライナー1930号

快適な転換クロスシート

 事前の案内通り、2号車から乗ったあと、隣の1号車に移動する。車内はガラガラで、なぜか張り詰めた空気を感じる。転換クロスシートの一部は向きが中途半端な状態で、係員が修正する。特急なら乗客が気にせず修正する姿を見るが、“有料列車である以上、乗客にお手数をかけさせるわけにはいかない”という緊張感が表れている。

 19時00分、通勤形電車充当(この日は6000系)の特急出町柳行きが発車。車両運用の都合もあると思うが、ロングシートにすることで乗客をライナーに向けさせようという意図があると思う。

 しかし、改札の内外にプレミアムカーを含めた指定席券売機がないので、急な予定変更に対応できない。“気軽に買える、利用できる”環境づくりが必要である。窓口購入やプレミアムカークラブという専用サイト(要会員登録、クレジットカード決済)だけでは心もとない。

1号車の乗客はたった13人

 ライナー1930号出町柳行きは、定刻通り19時03分に発車。北浜、天満橋で若干乗り込む。特に天満橋はライナーの常連客と思われる女性が2人乗り、隣の席にバッグを置いたあと防寒着を脱ぐ、カーテンを引くなどして“自分の城”を築く。

 地下を抜け、寝屋川信号所まで複々線となり、京橋へ。ここで多く乗ってくるものと思っていたが、意外と入ってこない。停車中、運転士は車内を覗き、ガラガラの車内をどう感じただろうか。その後、乗務員室ドアの窓を開け、身を乗り出しホームの安全確認を行なう。関西の鉄道は運転士もホームの安全確認をしており、事故防止に努めている。

ライナー1930号

ガラガラの車内

 京橋を定刻より1分遅れの19時12分に発車。1号車の乗客は私を含め13人(すべて転換クロスシートに着席)、乗車率24%というガラガラ。プレミアムカーの男性アテンダントが車内に入り、タブレット端末で席のチェックをする。さいわいライナー券なしで乗った乗客はひとりもいない。

 その後、車掌も巡回する。ガラガラでおしゃべりも一切ないせいか、モーターのうねりが車内に大きく響き渡る。

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