京阪電鉄、全席指定列車「ライナー」に乗車ルポ。張り詰めた空気が…
近年、首都圏の大手私鉄では通勤時間帯の着席ニーズに応えるべく、様々な有料列車が設定されている。例えば、東武鉄道は特急形電車による特急〈スカイツリーライナー〉〈アーバンパークライナー〉、京王電鉄は簡易優等車両による〈京王ライナー〉など。
関西でも着席ニーズが高いようで、特に京阪電気鉄道(以下、京阪)は2017年に8000系エレガント・サルーンの6号車が指定席プレミアムカーに改造されたほか、特急と停車駅が同じながら、全車指定席の有料列車「ライナー」という種別を設定した。
特急とはひと味違うライナーに乗ってみよう。
ロングシートも指定席
朝10時40分頃、京阪本線淀屋橋駅のプレミアムカー券/ライナー券うりばで、淀屋橋19時03分発のライナー券を求めると、係員は希望車両をきき、私は「先頭車」と即答。すると、1号車のシートマップを用意し、私に見せる。これはプレミアムカーの窓口購入と同じ手法だ。見ると、ロングシートも指定席の対象に入っている(補助席は対象外)。
この時間、すでに埋まっているのは1D席のみ。1・2番のC・D席は“終日全区間展望席”で、夜間やトンネル内でも前面展望が楽しめるのだ。特に1番席は基本的に特急の始発駅で埋まることが多く、ライナーなら途中駅からでも思う存分楽しめる。
ライナー料金は距離によって300円と380円に分かれる。例えば、淀屋橋―京橋間の各駅から乗車した場合、樟葉まで300円、樟葉から先は380円である。なお、プレミアムカーはプレミアムカー料金(400円もしくは500円)が適用される。また、上下列車とも乗車専用区間、ライナー券なしでも乗降できる区間がある。
プレミアムカーと同様、指定席利用のため、券面には「ライナー1930号」と明記されている。「1930」というのは、列車番号B1930Zのことである。
夕ラッシュの淀屋橋は各列車整列乗車を実施
18時過ぎ、再び淀屋橋へ。1日の平均乗降客数が11万557人で、京阪では京橋(17万7408人)に次ぐ多さだ。ホームはたった1面で、列車は2~4番線から発車する。
1・4番線は同じ線路上にあり、Osaka Metro御堂筋線の淀屋橋駅寄りは4番線、京橋寄りを1番線としている(1番線から発車する列車はほとんどない)。
列車がおもに発着する3・4番線は長蛇の列。京阪は列車が入線したあと、一旦乗降用ドアを閉め、再び開ける整列乗車を実施しており、混乱を防いでいる。
京阪本線及び鴨東線の特急は8両編成に対し、各駅停車や準急の多くはホーム有効長の関係から7両編成で運転されており、8両編成に統一できないのがネックといえよう。