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オロオロしている新人に「先輩がかけるべき一言」

学び

「もう少し見やすい資料を」という要望

 例えば「もう少し見やすい資料を」という要望は、漠然としています。「何をもって見やすいというか?」は、人によって認識が異なります。「円グラフから棒グラフにする」ということかもしれませんし、「メッセージをもっとシンプルにする」ということかもしれません。

 ついつい新人は、先輩からの突然の指示に驚いてしまい、「かしこまりました」と反射的に答えてしまいがちです。しかし、「見やすく」という言葉の意味はいろいろな捉え方があるので、額面通り受け取ってしまってはいけないのです。

 では、どのようにすればよいのでしょうか?

「少しメッセージが多すぎましたでしょうか?」
「グラフを多用しすぎたでしょうか?」
「色がカラフルすぎたでしょうか?」

 こちらの仮説を投げかけてみて、相手の明確な要望を探ることが大切です。

仮説を投げて明確な要望を探る

 そうすると、相手も「その通りだよ」とか、「違うよ、あの場合は、円グラフより棒グラフにしたほうがいいと思うよ」など、アウトプットのゴールイメージをより具体的に話してくれるのです

 このように、新人自ら仮説をともなった質問を相手に投げかけることはとても大切です。仮説は、自ら考えなければ立てられないので、主体的な人材を育てるのに最適です。なかには「このような小さなことを意識することに意味があるのか」と思う人もいるかもしれません。

 しかし、新人に考える時間を積み重ねさせることが、一人前への近道なのです。そもそも、まとまった育成の時間をとれないからこそ、小さな時間を積み重ねる必要があるのです

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<匠の時短質問>

仕事の依頼者に対して、新人による要望の確認が不十分だった時、「依頼者の要望をもっと正確に把握しないと、結果的に迷惑かけないかな?」
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