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神奈川県庁のデータが大量流出…個人が請求できる「損害賠償額」は?

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― 残酷なマネーの新常識 ―

 さまざまなメディアが「史上最悪」と報じて全国を騒然とさせた割に、裏事情はお粗末というか、なんともケチな動機で起きた事件だった。

神奈川県庁舎

神奈川県庁舎 photo by Wiiii CC BY 3.0

 神奈川県庁が廃棄したHDDが転売され、保存されていた行政文書が流出したとされる事件。流出した個人情報には、納税情報や勤務記録などのセンシティブなものが含まれ、日本で起きた情報セキュリティ事件として最悪の部類に入る。

神奈川県の行政文書が1000万円超で流出

 発覚してまもなく、中古品買取業者「ブロードリンク」社員の男性が、窃盗の疑いで逮捕された。廃棄されたハードディスクを秘密裏に運び出し、ネットオークションなどで販売していたとされる。販売総額は1000万円以上と見られるが、転売されたハードディスクの消去処理が不十分だったために、神奈川県の行政文書などが流出した。

 報道に接していても、どうにも責任の所在がつかめない事件である。容疑者男性、ブロードリンク社、神奈川県庁、そして県庁へのリースを担当していた「富士通リース」を巻き込み、当事者同士の追及合戦が始まる勢いだ。

 男がブロードリンク社から盗んだ各種端末は7800個あまりだと報じられた。うち少なくとも18個は神奈川県庁の行政文書が入ったハードディスクと見られ、そのうち9個はいまだに行方不明の状態にある。どんな情報が入ったハードディスクが誰に販売され、内部のデータが現在どう扱われているのか、全貌はいまだにつかめない。

「被害者」になったらどうしたらいいの?

廃棄PC

※画像はイメージです(以下同じ)

 最大の被害者である神奈川県民としては、打つ手なしだ。もしも今回の事件で自分の個人情報が流出していた場合、補償を受けられる可能性はあるのだろうか。弁護士・公認会計士の資格を持つ後藤亜由夢さんに聞いてみた。

「データ流出による損害を特定するのは難しく、損害賠償を請求するのは不可能かと思います。もしも戸籍や逮捕歴などの情報が流出していれば、相当にプライバシー性が高いため、私見ですが、1万~10万円の損害と認定されるでしょう

 しかしマイナンバーや住所氏名程度の情報だと、仮に認められても数千円が限度です。やはり、不利益を立証することが難しいと思います」(後藤弁護士)

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