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演劇に打ち込む青年がパチスロにハマり借金500万円を背負うまで

マネー

隣人トラブル、中退、そしてどん底へ

絶望

 もちろん、「そんな生活に不安になることもあった」と佐々木さんは言います。しかし、ついに自宅の電気が止まってしまいます。

「携帯の充電もできないので、お金を借りることもできなくなりました。ガスは止まってなかったんですが、ユニットバスなので風呂にも入れず……。

 でもそんな時にふと『ガスの機器に電気さえ通れば風呂に入れるのでは?』と気づきました。それで外に出てみたら、隣の家のコンセントに目が入ったんですね。まあ後はご想像の通りです。でも何度か続けるうちにバレてしまって(笑)。警察に連れて行かれそうになったところを、なんとか示談で収めてもらいました」

 示談金は20万円。さすがに押し込めていた不安が限界を迎えます。

「親に学費を払ってもらっていたんですが、留年することは目に見えていたし、借金してるような自分のためにお金を使わせるのは勿体ないと思い、大学は中退していました。もうその頃は毎日死にたかったですね。『借金もあって、示談金もあって、人生どうしようもねぇな』と。辛すぎてほとんど記憶がないです。暗黒時代ですね」

ある作品が絶望から救ってくれた

 そんな状況を救ってくれたのは偶然聞いたある曲でした。

「昔やっていた、あるアニメを題材にした音ゲーの曲をふと聴いてみたら、すごく心に響いたんです。すぐに原作も全話見たんですけど、前向きに夢を追いかける女の子に生きる希望を感じて、『俺も生きていいのかもしれない』と思えるようになりました」

 どん底から立ち上がった佐々木さんはついにパチスロをやめ、まっとうな生活に戻るのかと思いきや……。

「パチンコ? 今もやめてませんよ。一応、就職したのも、親がフリーターを続けていくことに良い顔をしなたかったからです。派遣社員になったら給料も上がったのでその分、借金も増え、今では500万円になりました(笑)」

 豪華絢爛な演出、毎週のように出る新台、遊びのつもりと思っていても、そのままズルズルと続けたくなってしまう仕掛けがパチスロには数多く用意されています。自制心がない人はご注意を。

特集・借金苦に陥る若者たち

<TEXT/日和下駄 イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ライター・編集者・俳優。メンヘラ当事者研究会会長。演劇をやりながら働ける方法を探していたらいつのまにかメディアに携わっていた。興味のあるジャンルはサブカルチャー全般

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